現在位置
日経リサーチ > コラム > World Trend > VIZIOって何だ?

World Trend

VIZIOって何だ?

2008.09.22

 最近「VIZIOが日本に進出」というニュースを見かけました。皆さんVIZIOという会社ご存知でしょうか?VIZIOはカリフォルニアに本社を置く米国企業で、2004年から自社ブランドの薄型テレビを北米市場で販売しています。昨年の話題ですが、2007年4-6月期に米国市場販売台数シェア1位となりました。わずか3年で無名ベンチャーからトップブランドへ躍進したわけです。ソニーやサムソンを抑えてのこの快進撃は、なかなかできることではないですね。

 VIZIOの快進撃の理由の一つは製品の安さにあります。2007年第2四半期当時では、32インチ~37インチのサムソンやソニー製品の値段が、47インチクラスのVIZIOブランドと同額レベルだったようです。(※現在はサムソンやソニーもVIZIOに対抗すべく低価格製品を投入しています。)VIZIOは自社工場を持っておらず、部品を調達し中国や台湾、メキシコの委託している工場で組み立てを行っています。設備投資を行わないことで低価格を実現したわけですね。

 ただ、快進撃の理由は製品の安さだけではないようです。VIZIOは当初、通常の家電量販店ではなくコストコ(COSTCO)などの会員制大型卸売店などに集中的に卸していました。そこでVIZIO製品が大当たりし、そこから家電量販店などにも販売網を広げていったそうです。昨年の秋からは、プロ・アメリカンフットボールリーグNFLの有名選手を広告に使い、ブランド認知を上げていく作戦を取っています。CNETの記事などによると、VIZIOは元々口コミでそのブランド名が広まっていったそうです。家電量販店ではなく、「コストコに行かないと買えない安いテレビがあるようだ」と噂が広まっていったのでしょうか?この時点で、販売網を広げたいVIZIOと家電量販店にない強みを持てるコストコの利害は一致しています。ここである程度のブランド認知をつけてから、通常の販売網に乗せていく、それがうまくいってから今度はNFLの有名選手を使った広告投入という段階を踏んでいます。それでも広告費は支出全体の1%に抑えられているそうですから、なんだか夢物語のような話ですね。しかしVIZIOは実際に成功しているわけです。

 もう一つ、VIZIOの特徴として面白い点があります。それはカスタマーケアへの対応です。現在の北米での販売シェアは3番目のようですが、上位2社とのシェアの数字はほぼ拮抗しているといいます。Top3メーカーにもかかわらず、VIZIOの従業員は100人で、そのうちの60人がカスタマーサービスの担当者ということです。この辺にも急成長の秘密があるのかもしれないですね。

 日本でも試験的に販売が開始されたそうですが、まだまだ日本での認知は低いと思います。しかし、北米では2007年第2四半期に前期比で76%増となりトップとなりました。日本でも、あっという間にいきなりトップランクに躍り出てくる可能性があります。今後、注意してみておくと面白いかもしれませんね。

ニューヨーク駐在 木村久生