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<title>鵜の目 鷹の目</title>
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<title>ブランドの将来</title>
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<published>2010-09-02T03:30:00Z</published>
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<summary>　ブランドは経営の重要な資産だが、企業業績が伸び悩む中で、その戦略的な位置付け重視度が変化しつつある。これからの経営展開において、ブランドはどのように位置づけていけばいいのだろうか。 ■ブランドとは－...</summary>
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<name>更新スタッフ</name>

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<![CDATA[<p>　ブランドは経営の重要な資産だが、企業業績が伸び悩む中で、その戦略的な位置付け重視度が変化しつつある。これからの経営展開において、ブランドはどのように位置づけていけばいいのだろうか。</p>

<p><b>■ブランドとは－企業と消費者を結ぶ共通の価値観</b><br />
　この主題にふさわしい格好の仮説がある。ジャック・アタリ氏は世界的なベストセラー「21世紀の歴史」－21世紀の企業のあり方－で、2020年頃の企業形態を、個人の集合体の組織である＜劇団型企業＞と継続的に組織された＜サーカス・映画の劇場型企業＞の二つに分類している。そして、後者の劇場型企業の特徴を以下のように説明している。</p>

<p>『こうした企業のおもな資産とは自社のブランドであり、消費者が将来も自社製品を買いたがるように、ブランドの保護と育成に努める。<br />
こうした企業は個人の領域に基準を作り上げていくために、顧客とのコミュニケーションを図るために莫大な経費を投じる。<br />
こうした企業は価値観を体現し、今度は、各消費者がそれを真似る。』</p>

<p>　21世紀企業の本質をブランドに凝縮するあたりは慧眼というほかない。上記の言葉を「ブランド」に焦点を当ててわかりやすく要約すれば、次のように言い換えることができる。<br />
「これからの企業は、ブランドを介して消費者と価値観を共有する。ブランドに共感する消費者を獲得するために、関係性重視の経営が進められ、そのための消費者コミュニケーションに莫大な経費を投ずる」<br />
消費者との価値観の共有を前提に事業化を進めることによる必然の結果として、アタリ氏は「こうした企業は環境的・社会的価値観を考慮に入れ、政府が供給するのをやめた機能の一部を、少なくともNGO に資金供与することで担っていく」とも展望する。 企業が消費者の価値観に対応して商品や広告やブランドを創り、消費者からの歩み寄りを待つだけではなく、そのブランドに沿って、こんどは企業が業態を変え消費者に歩み寄るという時代が到来することをも予測しているわけである。<br />
そもそも企業とは、社会の期待や消費者の欲求を実現するために生まれた組織である。低価格化や高品質だけが消費者が求める価値とは限らない。今日見られる「嫌消費」といわれる消費に対する否定的な反応や社会に役立つことを重視する消費スタイルは、既存の商品概念や既存の事業概念との乖離や限界を暗示しているようにも思える。ブランドを企業と消費者の共通の価値観として育成し絆を深めることが21世紀企業の命題であり、これからの企業ドメインや企業ブランドを構築するうえでの視座といえよう。</p>

<p><b>■厳しい現実でブランド育成は後退気味</b><br />
日経広告研究所が主要企業の広告担当者に毎年実施している「広告動態調査」によると、ここ数年の企業・商品ブランドに対する重視度の低下が著しい。2007年度と2009年度の重視度を比較すると、「企業イメージの向上と管理」は、58.3％から42.0％へ低下、同様に「商品ブランドの管理・育成」は、48.2％から31.7％へ、「企業ブランドの管理・育成」は、47.4％から31.7％へ低下している。一方、ブランド構築のための活動内容を見ると、「ブランド構築の視点からの広告制作や媒体戦略」が低下し、「長期的視点からのブランド管理」が上昇している。<br />
厳しい企業経営が続くなかで、多くの企業では広告予算が削減されている。広告担当者は長期視点ではブランドを意識してはいるものの、当面の重視点は効率的な媒体計画や、販売に直結する活動に注がれている。単年度の収支確保に翻弄されている状況が見えてくる。アタリ氏が「莫大な経費を投じて」対応すべきだと説く「ブランド育成」が、いま、広告予算の中でも優先順位を落としている。</p>

<p><b>■インターネット全盛時代の盲点は「記憶＝ブランド」の軽視</b><br />
　コミュニケーションの構造が変化する中で、ブランド強化に向けた盲点はないだろうか。消費者が企業から情報を受け購買に至るプロセスは、AIDMAからAISASに変化したといわれている（下図）。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100902_1.jpg" src="/column/search/20100902_1.jpg" width="500" height="172" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"/></span>

<p><span class="caps">AISAS</span>モデルでは、二つのS＜search（検索）・share（情報共有）＞が加わり、主体的な情報行動や買い物行動までが組み込まれた。しかし、AIDMAモデルに組み込まれていたD（欲望）とM（記憶）が外されている。<br />
時代に合った「欲望」を満たすことは、変化する価値観に対応していくためにも、ますます必要なプロセスではなかろうか。そして「記憶」に留めてもらうことは、さらに大切なプロセスだ。インターネットの活用で多くの情報が閲覧できるようになり、あえて記憶に留めなくていい情報もあるが、記憶に残すべき情報も残りにくい環境になってきた。<br />
<span class="caps">IIJ</span>の鈴木幸一社長は、日経WEB版（8月24日）の経営者ブログ（タイトル：記憶なんていらない、グーグルがあるから）で、次のように述懐されている。<br />
『日々、ウエッブへのアクセスに振り回されていると、あらゆる情報の収集に対して、斜め読みの習慣がつき、画面で読んだはずの情報は、ほとんどが、記憶に残らなくなってくる。』<br />
『個人の記憶にとどめるという営為が消えて、個人が持つべきあらゆる記憶が、企業や自治体がクラウドコンピューティングを使うように、外部のどこかに置き放されたままで、何の痛痒（つうよう）も感じなくなってくるとしたら、ずいぶんと怖い話である。』<br />
価値観を共有した深いブランド意識は、企業メッセージの行間や、自己体験を通じたイメージとしてしか消費者の記憶に留め置く方法はない。AISASは、インターネット社会を適切に反映したモデルといえるが、「記憶に残す活動」を欠いたコミュニケーション戦略は、インターネット時代における盲点といえだろう。<br />
将来、企業の主要な資産となるべきブランドを育てるために、記憶の蓄積（企業ブランド・コミュニケーション）とその把握（ブランド評価、企業イメージの測定）は広告戦略としてだけではなく経営戦略としてしっかりと対応すべき課題である。</p>

<p><b>■ブランドの記憶をどう創るか</b><br />
　では、ブランドを介して企業が消費者の記憶に残すべき記憶とは何だろう。どうすればそれが確認できるだろうか。<br />
　企業ブランドに対する意識の深層を調べる手法がある。当社が実施している「ブランド記憶喚起法」によれば次のような興味ある傾向（第一連想～第三連想）がうかがえる。</p>

<p>一般的に、人に情報負荷をかけると「それがどういうものであるかを確認する」→「相手が何であるかを確認する」→「自分中心にいろいろなものの位置関係を確認する」という順序で、思考が深化するという（「脳は『論語』が好きだった」篠浦伸禎著）。このような人の思考構造を踏襲するように、第一連想から第三連想に進むにしたがって連想内容は、企業実体→イメージ・評価→利用シーンや思い出・満足感・期待感、と深化した回答が増える。第三連想の内容を解釈すると、自分にとってブランドがどのような意味を持つのかといった連想が現れる。このような調査を利用すれば「企業と消費者を結ぶ共通の価値観」を確認する材料を得ることができる。</p>


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100902_2.jpg" src="/column/search/20100902_2.jpg" width="500" height="181" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"/></span>
<div style="text-align:center">　企業ブランドからの連想内容</div>
<br /><br />
<b>■2010年代は、文化的価値観の時代に</b><br />
　これからの企業は、消費者との間に、どのような共通の価値観を築きあげていくべきだろうか。その前提として、人間の営みにおいて、企業の存在価値とは何だったのかを考えてみよう。<br />
企業の存在価値を、「社会的価値」「技術的価値」「経営的価値」「文化的価値」の4つで説明する考え方がある（「『戦略広告』の時代」小林貞夫ほか著　日本経済新聞社）。日本経済の今日までの時代区分と対応させれば、生活基盤や生産量の拡充が求められた1960年代は、企業に「社会的価値」が求められ、品質の向上が求められた70年代は「技術的価値」が求められた。80年代は企業の事業領域が拡大しCIブームが起こるなど「技術的価値」と「文化的価値」が追求されていたように思う。そして、90年以降のこの20年間は、顧客満足の向上が重視され、収益改善が最優先された。企業には「経営的価値」が強く求められてきたといえる。<br />
アタリ氏の指摘する2020年頃の企業観からは、企業組織やブランドが人々の生活や文化により深く組み込まれた社会が示されている。また、消費者との共感が重視される時代となれば、企業が提供する価値は、モノよりもサービス的で文化的な付加価値になるだろう。そこで、上記の価値区分でいえば、企業の「文化的価値」の時代の到来が予感される。

<p>時あたかも日本企業が大きく海外に羽ばたき、国際ブランドとして海外企業と競合する時代である。国際的に技術力が平準化する中で、日本企業のブランド力は有力な差別化手段にもなる。ブランドを単なるネーミングに終わらせることなく、自社製品にしっかりとした価値観と好意を根付かせ、消費者の自己実現に合致した存在となるよう、企業の取り組みに期待したい。</p>]]>

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<title>JCSI登場のインパクト</title>
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<id>2010-08-20T10:10:31Z:1017</id>
<published>2010-08-20T00:30:00Z</published>
<updated>2010-08-20T10:10:31Z</updated>
<summary>　JCSI（日本版顧客満足度指数）が経済産業省の支援のもとで開発され、2010年3月よりサービス産業生産性協議会（SPRING）の事業として公表されることになった（注1） 。サービス産業を中心に29業...</summary>
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<name>更新スタッフ</name>

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<![CDATA[<p>　JCSI（日本版顧客満足度指数）が経済産業省の支援のもとで開発され、2010年3月よりサービス産業生産性協議会（SPRING）の事業として公表されることになった（注1） 。サービス産業を中心に29業種・約300社を測定した日本最大のCS（顧客満足度）調査である。これから継続的に調査が実施されて結果が年次公表されていく予定であり、日本のCS調査のデファクト・スタンダードになる可能性がある。私はJCSIの開発委員（注2）として参画した。</p>

<p><b>１．どこが「日本版」なのか</b><br />
　JCSIは1994年から米国で公表されたACSI（American Customer Satisfaction Index）を参考に開発した。基本的な満足度モデルではACSIが採用した期待・不一致モデル（Expectancy Disconfirmation Model）を踏襲しつつ、いくつかの点で修正を加えた。<br />
　もちろん期待・不一致モデルはACSIのオリジナルではなくOliver（1980）が提案していたものである。私もSEM（構造方程式モデリング）の事例として著書（朝野・鈴木・小島；2005）で紹介したことがある。パス図で表現すると図１のようになる。事前期待の水準と、実際にサービスを経験して確認したパフォーマンスとの差異が満足度を規定するという仮説を基礎とするSEMモデルである。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100819_1.jpg" src="/column/search/20100819_1.jpg" width="560" height="353" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"/></span>

<div style="text-align:center">　 図１　ＪＣＳＩの満足度モデル</div>
<br /><br />
　日本版の最大の修正点は質問文の表現である。構造モデルにも若干の修正はあるが本質的に重要なのは妥当性の高い質問文で安定した（信頼性の高い）測定を可能にすることであった。ACSIをはじめとする先行研究の直訳的表現からスタートし、2年半の開発期間にいくつかのプリテスト調査を実施。複数の業種・企業のモデル構成を試み検討して現在の質問文が出来上がった。測定尺度に関しては10件法のリッカート尺度でACSIと同じである。実は私は5件法を主張したのだが、プリテストの結果を検証したところ顕著な不都合は検出されなかったのでACSIと同じにした（注3） 。<br />
　第二の相違はWEB調査を採用したことである。ACSIは電話調査である。他国もそれぞれの国情を反映して異なる調査方法でデータを収集している。WEB調査には懸念もあったため、プリテスト調査において郵送調査とWEB調査を同時に実施して結果を比較した。ほとんどの重要項目において問題となる差異はなかった。そのため大規模な調査を実施できるWEB調査を採用することになった。どの調査法にも測定の独自性があるので、一貫した方法を継続できることが重要だった。<br />
　このほかの相違点は「マーケティングジャーナル」最新号（117号）のJCSI特集を参照されたい（注4） 。モデルの統計的推測に関してはこれまで詳細な報告をしていないが、技術的話題なので積極的に発表していないだけであって、他意はない。基本的情報はSPRINGのWEBサイトに掲載されている（注5） 。<br />
<br /><br />
<b>２．どのようにJCSIを活用するか</b><br />
　JCSIの特徴は自社だけでなく他社の顧客も調査・測定しているため、同じ質問項目で比較できることである。一般には業界横断的な比較が可能という点が強調されているが、各企業にとっては業界内の競合他社との比較に興味があるだろう。自社と他社の強みと弱みを明らかにし、業界内のポジショニングを明確にしたうえで課題を発見することで、行動計画に活用することができる。<br />
　JCSIのモデルの部分に関しては、まずパス係数を解釈することで自社の満足度がどのような因果関係になっているかを知る。これを他社と比較することもできる。自社の顧客がどのプロセスで評価しているのか否かを知ることでCSに影響する要因を探ることができる。<br />
　JCSIではCSモデルが前面に出ており、CSのランキングが注目されがちであるが、実は調査全体ではCSモデルに使う質問以外にも多くの測定項目がある。一般的なCS調査では総合満足と個別満足からCSポートフォリオを作成して課題を抽出するレポートが有益である。個別満足に相当するSQI（サービス品質評価）を使って数種類のポートフォリオを作ることができる。もっと基本的な視点も重要である。満足している顧客と不満の顧客を層別して、どこに差異があるのかを分析することで満足や不満の要因に迫るのである。顧客の層別はCSスコアの水準のほか、自社サービスの再利用意向や利用頻度・利用額・回答者の世帯年収などでできる。<br />
　いくつかアウトプットのイメージを見てみよう（いずれもデータはダミーである）。図２はCSポートフォリオで、図３は競合他社との差別化特徴によるポジショニングマップの例である。

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100819_2.jpg" src="/column/search/20100819_2.jpg" width="560" height="289" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"/></span>

<div style="text-align:center"> 図２　CSポートフォリオのイメージ</div>
<br /><br />
プロット項目をSQIとした場合。縦軸はCSとの相関係数、横軸はSQIのスコア。第二象限は重要なSQIなのに評価が低い課題群である。<br />
<br /><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100819_3.jpg" src="/column/search/20100819_3.jpg" width="560" height="289" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"/></span>

 <div style="text-align:center">図３　競合他社とのポジショニングマップ</div>
<br /><br />
<span class="caps">CSI</span>では業種ごとに独自の質問項目も用意されている。A社のサービスを使う理由や評価観点などで他社との比較優位性を検討できる。<br />
<br /><br />
　このほかにも先進的な内容として「スイッチング・バリア」の項目がある。まだ研究途上であるが、顧客維持戦略のひとつとして自社から他社へスイッチする可能性と困難性を把握することは重要な情報だろう。<br />
<br /><br />
<b>３．最後はカスタマイズ</b><br />
　多くの企業は既にCS調査を実施している。JCSIから得られる結果だけでは自社の要求内容を満たさないところもあるだろう。自社のためだけに設計されていないのだから致し方ない。その場合は、要求を満たすような設計を提案する。<br />
<span class="caps">JCSI</span>が存在するので、この成果を踏まえた設計も有益であろう。JCSIの測定対象企業だけでなく、非測定企業のためのサービスメニューも用意されている。当社はSPRINGと協調しながら企業の皆さまがJCSIを利用するお手伝いをしていく。興味をもたれた企業には説明に出向き、またセミナーの開催も予定している。ご関心のある方はぜひご一報いただきますようお願いいたします。


<p>【文献】<br />
朝野煕彦・鈴木督久・小島隆矢（2005）．『入門 共分散構造分析の実際』，講談社<br />
南知惠子（2010）．日本版顧客満足度指数は何を示すのか？．マーケティングジャーナル，117号．<br />
南知惠子・小川孔輔（2010）．日本版顧客満足度指数（JCSI）のモデル開発とその理論的な基礎．マーケティングジャーナル，117号．<br />
Oliver, R. L. (1980). “A Cognitive Model of the Antecedents and Consequences of Satisfaction Decisions”, Journal of Marketing Research, 17, 460-469.<br />
Oliver, R. L. (1996). <span class="caps">SATISFACTION</span>: a behavioral perspective on the consumer. McGraw-Hill.<br />
小野譲司（2010）．『顧客満足［CS］の知識』，日経文庫<br />
小野譲司（2010）．JCSIによる顧客満足モデルの構築．マーケティングジャーナル，117号．<br />
酒井麻衣子（2010）．顧客維持戦略におけるスイッチング・バリアの役割―JCSI（日本版顧客満足度指数）を用いた業界横断的検討―．マーケティングジャーナル，117号．<br />
土田尚弘・鈴木督久（2009）．顧客満足度調査にもとづくインターネット調査と郵送法調査の比較研究．マーケティング・リサーチャー，No.110．</p>

<p>注1. <span class="caps">JCSI</span>のプレスリリースは日経MJ（2010年3月17日）一面で報道されたほか、NHKと民放各局でも取り上げられた。<br />
注2. <span class="caps">JCSI</span>の開発ワーキング・グループの委員は以下のとおりある。<br />
　　　　小川　孔輔（法政大学）座長<br />
　　　　小野　譲司（明治学院大学）主査<br />
　　　　朝野　煕彦（首都大学東京）<br />
　　　　酒井麻衣子（多摩大学）<br />
　　　　鈴木　督久（日経リサーチ）<br />
　　　　藤川　佳則（一橋大学）<br />
　　　　南　知惠子（神戸大学）<br />
　　　　余田　拓郎（慶応大学）<br />
 <br />
注3. 私が10件法よりも5件法を主張した理由は個人ごとに標準化が必要になるような回答傾向を示すことを懸念したためだった。なお関連する話題として、JMRA（日本マーケティング・リサーチ協会）がアジア各国のWEB調査で回答傾向に差異があるかを検証する実験調査を実施しており、11月26日のJMRAカンファレンス（東京）で結果が発表される。<br />
<a href="http://www.jmra-net.or.jp/conference/">http://www.jmra-net.or.jp/conference/</a><br />
  <br />
注4.「マーケティングジャーナル」は日本マーケティング協会が発行する季刊雑誌である。<br />
<a href="http://www.jma2-jp.org/business/book.html">http://www.jma2-jp.org/business/book.html</a></p>

<p>注5.  <span class="caps">SPRING</span>のWEBサイトにはJCSIに関する基本的情報があり、質問項目なども公開されている。<br />
<a href="http://www.service-js.jp/jcsi/page0800.php">http://www.service-js.jp/jcsi/page0800.php</a></p>]]>

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<title>公的統計市場の成長、そして成熟に向けて</title>
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<id>2010-07-29T02:21:04Z:1012</id>
<published>2010-07-29T02:20:00Z</published>
<updated>2010-07-29T02:21:04Z</updated>
<summary>公的統計の民間開放、さらに進展の方向 　「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」（略称　公共サービス改革法）が 成立して既に４年の時間が経過した。この間、同法に基づく「公共サービス改革基本方...</summary>
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<name>更新スタッフ</name>

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<content type="html" xml:lang="ja">
<![CDATA[<p><b>公的統計の民間開放、さらに進展の方向</b><br />
　「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」（略称　公共サービス改革法）が<br />
成立して既に４年の時間が経過した。この間、同法に基づく「公共サービス改革基本方針」も６回の改定を重ね、最新のものが本年７月に発表されている。そこでは統計調査関連業務の事項として「統計調査業務の民間委託における競争性を確保するための是正措置、民間競争入札の活用に関する検討」があげられ、その措置の内容としては「―委託期間の複数年化等により、業務の質の維持向上及び経費削減の一層の推進が期待できる統計調査については、民間競争入札の対象とすることについての具体的検討を監理委員会と連携して行い、平成２２年中に結論を得る。」と記されている。<br />
これに先立ち今年の３月には「統計調査における民間事業者の活用に係わるガイドライン」（各府省統計主管課長等会議申合わせ）の改正版が発表された。ここにおいては、「民間事業者の活用の可能性の検討」という表現を初め、「相互に関連性のある業務や調査横断的な共通業務における一括委託の活用」「委託契約の長期化」等、従来は記述されていなかった項目も盛り込まれており、民間開放は着実に進展の方向にあるとみてとれる。</p>

<p><b>公的統計市場、拡大傾向が明らかに</b><br />
　では、実際の公的統計市場はどのような様相を呈しているのであろうか。調査会社の団体である日本マーケティング・リサーチ協会（ＪＭＲＡ）が昨年に引き続き２回目となる「公的統計市場に関する年次レポート　２００９」を本年５月に発表している。同レポートによると、２００９年度に実施された公的統計（基幹統計、一般統計）の民間開放の本数は７７本、契約金額は非公表の２本を除く７５本で３７億３千万円となっている。前年度比は、本数ベースで５７％、金額ベースで３８％と顕著に増加。府省別では、本数・金額ともに経済産業省、総務省、厚生労働省が多くなっている。民間開放の市場は明らかに拡大しているといえる。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100729_01.jpg" src="/column/search/20100729_01.jpg" width="327" height="250" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"/></span>

<p>　上記の公的統計の受託事業者の中心はＪＭＲＡ加盟の調査会社であり、２００９年度実績では金額ベース１，９３３百万円・５１．８％を占めている。ただし、受託した社数は<br />
５社・２連合（複数企業の連合体）にとどまっており、同協会が別途実施している会員社対象の調査における「公的統計への参入希望社　４４社」とは大きな乖離がある。民間事業者の参入意欲、さらに言えば参入余力を示すところとなっている。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100729_02.jpg" src="/column/search/20100729_02.jpg" width="560" height="353" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;"/></span>

<p><b>課題の存在も明らかに</b><br />
各府省においては公的統計の民間開放がさらに進展する方向づけがみられ、実際の公的統計市場も拡大傾向を示し、そして民間調査会社の公的市場への参入意向も明らかに存在するということで、市場の成長性が十分見込めるようにみえる。しかし、市場としての成長すなわち「積極的かつ効果的に民間事業者を活用する」という目的の実現に向けては、まだまだ課題が多くあるといわざるを得ない。受託者としての民間事業者側の問題としては、実績を得たいがための低価格落札がある。発注者側の経費削減につながる価格の競争は当然あるべきものであるが、事後に公表された落札価格をみて疑問をいだかざるを得ないケースもある。このことは、結局は受託者の収益さらには発注者の次年度以降の予算措置にもマイナス影響を与えると思われる。そして、なによりも「統計の信頼性」への懸念にもつながりかねない。<br />
　また、ＪＭＲＡの「民間調査機関における公的統計に関する実態調査報告書」（２０１０年４月）によると、官公庁から受託した調査の変動費（直接経費）が７０％以上を占める<br />
との回答が４割（社数ベース）を超えている。人件費を含んでいないことも考え合わせると、この実態は事業会社としての業務遂行力発揮に対してマイナス作用をしている可能性もあり、さらには継続受注に向けての意思決定にも影響を及ぼすと考えられる。<br />
　上記の現象をなくしていくためには、民間開放の案件によっては予算額を公表する、仕様書情報の確認期間を十分に設ける、というのもひとつの方策と思われる。応札する民間事業者も内容を十分に理解し、価格についても単なる低価格落札を意図するのとは異なる各社の判断が作用する可能性が生まれる。<br />
　また、そもそも予算額そのものについての算出根拠を明示してもらいたいとの強い希望がある。直接経費の概算額、統計職員の人件費・人日等が主たる内容となる。これらの情報を認識した上での民間事業者の応札競争というのが総合的にみればより好ましいと思われる。</p>

<p><b>市場の成熟には「官と民」の連携・協力が不可欠</b><br />
　前出の「公共サービス改革基本方針」には、「質の達成目標については、ほとんど<br />
の事業において、対象公共サービスの従来の質と同水準、同程度のものを設定しているが、<br />
これまでのところ民間事業者は概ね当該目標を達成している。」との記述がある一方、「統計調査のガイドライン」には、先に紹介した民間開放進展に向けての新たな項目が加わっていると同時に「委託先の適切な選定」「委託候補業者の業務遂行能力等を確認」「価格だけでなく業務遂行能力等を踏まえた選定方法を積極的に活用」といった表現もみられる。<br />
　現時点においては、発注者側には民間事業者の履行能力に関してまだまだ懸念・不安といったものが実際は存在し、一方、受託者側には参入希望自体は強いものとして存在するが、事業会社としての採算性・継続可能性についての不確か感があると推測できる。換言すれば、まだまだ両者“見合い状態”にあるといえそうである。この状態を打破し、本来の目的を達成していくためには、やはり「スタート」における相互のキチンとした理解・認識の共有がなによりも重要ではないだろうか。前述していることでもあるが具体的には、①仕様書についての確認・質問・回答期間の十分な設定と応札希望者におけるその内容共有の徹底　②一定規模・一定金額を超える案件については算出根拠を含めて予算額を事前に公表する　③予算額比で「ある水準（％）」を超える低価格入札は対象外とする、といった方策を実行していくことが望まれる。これらのことが前提になっての応札機会・応札実績を積み重ねていくことこそが、「統計の質を確保」「民間事業者の創意工夫発揮」そして｢適正利益を確保した上での価格競争｣等の要素を満たす市場の形成につながると思われる。そして、このような進展そのものが民間事業者自らの履行能力の改善・強化をも導きだし、民間事業者同士の競争環境そのものを育成、公的統計市場は成熟していくと考える。<br />
　</p>]]>

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<title>笑顔が顧客満足を高める理由（ワケ）</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nikkei-r.co.jp/column/search/2010/07/post.html?utm_medium=rss&amp;utm_source=search_rss" />
<id>2010-07-22T05:05:15Z:1003</id>
<published>2010-07-15T01:25:03Z</published>
<updated>2010-07-22T05:05:15Z</updated>
<summary>店員の明るい笑顔は、店員だけでなく店の評価にも好印象を与える。これは日経リサーチが実施した多くのCS（顧客満足度）調査やミステリーショッパーリサーチ（店頭観察調査）からも裏付けられる顧客満足度向上の重...</summary>
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<name>更新スタッフ</name>

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<![CDATA[<p>店員の明るい笑顔は、店員だけでなく店の評価にも好印象を与える。これは日経リサーチが実施した多くのCS（顧客満足度）調査やミステリーショッパーリサーチ（店頭観察調査）からも裏付けられる顧客満足度向上の重要なポイントである。</p>

<p>接客を重視している会社では、すでに店員やサービス部門のスタッフに笑顔の対応を積極的に指導している。たとえば、スタッフが笑顔を心がけられるようにバックヤードから接客スペースに出るところに鏡を置いたり、コールセンターの各ブースの前に鏡を掛けたりしている企業がある。口角（唇の両端）の角度や歯の見せ方まで細かく規定している企業もあるというからその取り組みは本格的である。<br />
オムロンは、2009年2月にリアルタイム笑顔度センサ「スマイルスキャン」を発売し、導入した企業で効果が確認されたという。</p>

<p>それでは、なぜ「笑顔」が顧客満足の向上にとって大切なのだろうか。当たり前と思われる事柄をあえて疑問視してみることもコンシューマーインサイトの究明には必要なことだと思う。笑顔が顧客満足につながるプロセスが解明されRTB（reason to believe）に確信が得られれば、笑顔をより実践論としてCS対策やビジネス・接客マナーとして教育するきっかけにもなる。<br />
そこで、近年話題になっている脳科学から顔や笑顔に関連する話題を拾ってみた。</p>

<p><b>＜入店したお客は店員の顔に注目する＞</b><br />
まずヒトは、顔に対して特別な反応をするという。<br />
人間の脳は顔を認識する「顔ニューロン」という神経回路があり、顔のようなものが目に入ると敏感に反応する。顔ニューロンが働き始めるのは生後わずか2週間といわれていて、母親の顔を認識、その表情を見極めるという行為の中で発達する。笑顔の認識もこの頃から始まるらしい。一方で、危害を加えるヒトや猛獣の脅威から逃れるためにも顔の表情を的確に識別することが生存の条件であったため、その神経回路が発達したようだ。<br />
よく取り上げられる話題に、ホンダのバイクの製品開発がある。それは、ホンダが脳科学を製品開発に応用し、正面から見ると怒った人のように見えるデザインのバイクを展示会で発表したことだ。正面衝突しそうな状況で、バイクが向かってくるのを相手の運転者にいち早く気づかせ、事故を防げないかというのが開発のきっかけだという（2006年11月6日付日本経済新聞朝刊）。<br />
では、店内に入ったお客は、店員の顔に対してどのような反応を起こすだろう。バイクと出遭った運転手ほどの切迫感はないとしても、店へのワクワク感や、期待が裏切られないだろうかという一抹の不安感から、とりわけ入店時は、お客にとっても緊張感が高まる瞬間となる。そのとき、お客の目は顔ニューロンの働きで店員の顔に注がれる。そこに笑顔があれば、瞬時のうちに「危険の解除」「安心・安全」のメッセージとして受け取り、相手（店員）との間に好ましいコンタクトが生まれることになる。</p>


<p><b>＜笑顔はお客に伝播する＞</b><br />
次の段階で注目されるのが、「ミラーニューロン」の存在である。<br />
ミラーニューロンとは、ヒトや霊長類に備わる行動で、他のヒト（や霊長類）の行動に対して、まるで自身が同じ活動をしているかのように“鏡”のような活動を促す神経細胞のこと。<br />
周囲にいる人のあくびがうつることがある。気分の悪くなった人がいると自分の気分も悪くなるような気持ちになる。相手が腕組をするとつい同じように腕組をしてしまう。これらはミラーニューロンの働きによるという。<br />
これと同じ原理で、店員の笑顔はお客にうつる。両者のあいだに相手が誰なのか、相手とどういう関係にあるのか、などによりミラーリングの強弱はあるが、店員の笑顔がお客の表情を笑顔に変える。つまり「笑顔行動（スマイル・アクション）」には、安心感などの情報伝達に加えて相手に行動を起こさせる複合的な効果があるということになる。「笑顔が職場を明るくする」と言われるが、この伝播と波及効果によるところが大きいと考えられる。</p>

<p><b>＜笑顔の表情が心の楽しさを創る＞</b><br />
そして最後に、店員からうつったお客の笑顔がすばらしい効果を発揮する。それは、笑顔を作ることで意識を変える効果があることだ。<br />
ミュンテ博士（オットー・フォン・ゲーリケ・マグデブルグ大学）の論文によると、人が箸を横にくわえて表情筋が動き、笑顔に似た表情になると、箸をくわえた人のドーパミン系の神経活動に変化が生じ、脳の報酬系、つまり「快楽」に関係した神経伝達物質が刺激される（nikkei BPnetビズカレッジ仕事術　東京大学池谷裕二准教授）。<br />
つまり、笑顔は楽しさの結果ではなく、楽しさを喚起する原因となる。<br />
「ドーパミンは、人間にとって最も依存性の高い物質として知られており、購入決定にはドーパミンの誘惑効果も影響している」（マーティン・リンストローム）ともいわれている。店に来たお客は、笑顔をうつされたことにより、店の雰囲気をよりポジティブ（ハッピー）に受け止め、サービスの評価や購入への態度を前向きにするという意識の流れが推察される。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><img alt="20100715_1.jpg" src="/column/search/jpg/20100715_1.jpg" width="560" height="353" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;"/></span>

<p>笑顔がCSのマネジメントに取り入れられつつあることは前に述べたとおりだが、当社が経験した多くの事例では、笑顔の指導は、「マインドから入る」か「型から入る」かで教育や指導の方法が分かれるようである。一般に、短期派遣などスタッフの入れ替えが多い職場では時間的な制約から型から入るが、人材の長期育成を目指す職場では、おもてなしの心や経営方針などのマインドから入るようである。上記の脳の働きからうかがえることは、笑顔の表情だけでも重要な役割があり、型から入るのも有効だといえよう。<br />
もちろん、ここで検討している笑顔とは本当の笑顔であって作り笑いではない。強制された笑顔は逆効果であり、店員の笑顔もさかのぼれば周囲のスタッフの笑顔からもたらされることが好ましい。笑顔が自然に湧いてくる職場の環境や人間関係がより重要であり、CSとともにES（従業員満足）が求められる理由もここにある。</p>



<p>参考文献<br />
「感じる脳」　アントニオ・R・ダマシオ著　ダイアモンド社<br />
「ミラーニューロン」　ジャコモ・リゾラッティ＆コラド・シニガリア著　紀伊國屋書店<br />
「買い物をする脳」　マーティン・リンストローム著　早川書房<br />
「笑う脳」　茂木健一郎著　アスキー新書</p>]]>

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<title>The future of poll surveys　世論調査の未来</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nikkei-r.co.jp/column/search/2010/07/the-future-of-poll-surveys.html?utm_medium=rss&amp;utm_source=search_rss" />
<id>2010-06-30T07:46:30Z:998</id>
<published>2010-07-01T00:00:00Z</published>
<updated>2010-06-30T07:46:30Z</updated>
<summary>　まもなく参院選である。マスコミの選挙予測報道では世論調査データが駆使されている。活況の世論調査だがその未来を考える。 １．世論調査の過去－訪問の時代 　戦後民主主義とともに再出発した世論調査は「民主...</summary>
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<name>更新スタッフ</name>

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<![CDATA[<p>　まもなく参院選である。マスコミの選挙予測報道では世論調査データが駆使されている。活況の世論調査だがその未来を考える。</p>

<p><b>１．世論調査の過去－訪問の時代</b><br />
　戦後民主主義とともに再出発した世論調査は「民主」「科学」「平等」などのキーワードとともに輝いていた。戦後初の世論調査を実施した毎日新聞の紙面（1945年10月20日）は「しかして民主主義の基底は輿論の尊重にあり過去十数年来軍官の弾圧によって不当に眠らされていた国内輿論は今こそ活発に揺り起こされ新日本の正しい意味における推進力とならねばならない」と、終戦から３か月後に高らかに主張している。<br />
はやくも戦後10年の1956年に岩波新書の『世論調査』（吉田・西平著）が出版された。当時は若者があふれ成人の54%が20～30歳代だった。人々は世論調査に協力的で調査員が家庭を訪問して80%～90%の協力が得られる時代であった。1960年には調査会社が次々に誕生しビジネスとしても興隆した。</p>

<p><b>２．世論調査の現在－電話の時代</b><br />
　転換期は1980年代後半にやってきた。調査員が全国の家庭を訪問面接する方法ではなく電話で質問する手法を日本経済新聞が導入して現在ではその電話世論調査がマスコミ各社の世論調査手法の主流となった。<br />
　対面から電話への測定方法の変化は世論調査を速報化し頻繁に実施できるようにした。また大規模調査も可能にした。1996年に衆院に小選挙区比例代表並立制が導入され選挙区が132から300に増加したが各社は電話調査に切り替えることで数十万人規模の調査を実施することができた。<br />
　世論調査の結果は「輿論・言論」から「情報・データ」の性格を強めている。選挙前の世論調査はその色彩が特に強い。世論調査と選挙結果との相関が強いことが実証されているからである。これは調査の信頼性の高さを示すものだが一方で責任も重くしている。1980年代以降の課題は人々が調査に協力的でなくなったことである。特に若者の協力率が低く、有権者に占める20歳代の人口構成比が14%であるのに対し調査に協力する同世代の数は少なく調査データにおける構成比は5%に過ぎない。</p>


<p><b>３．世論調査の未来－インターネットの時代</b><br />
　若者の回収率低下への対策として普及著しいインターネットで世論調査を実施すればいいとの意見がある。そう提言する有識者もいるが不十分な識見である。インターネット普及率が100%になっても世論調査に使えるとは限らないのであり、この問題は測定方法と抽出方法を区別して考えるべきである。<br />
　世論調査は有権者からの無作為抽出標本の調査結果であることが「有権者の意見の集約だ」と報道できる科学的根拠になっている。マスコミ世論調査の枠母集団は電話世帯であり、目標母集団（有権者世帯）のカバレッジは90%以上と推定される（注1）。<br />
インターネットの調査モニターは専門調査機関が登録しているが最大で200万人程度に達している。しかしカバレッジは2%に過ぎない。代表性の低い200万人の大規模調査よりたった3千人でも母集団をよく代表している標本調査のほうが正しい結果を示すことは歴史的にも実証済みで1936年の米大統領選挙の予測調査が有名である（注2）。</p>

<p>　実際にYahoo!リサーチが毎月インターネットで内閣支持率を調査している（回答者数は千人）。20歳代の構成比も高い。携帯電話しか持たない若者世帯もカバーしているようにも思える。内閣支持率はマスコミ各社より常に低く、鳩山内閣の初期で15ポイント以上の差異がある。Yahoo!リサーチの結果に納得する人々も多いだろう。しかし１億人の母集団から無作為抽出するか、調査モニターに応諾した200万人を母集団として抽出するかの差異は結果がどうかという問題とは異なる、調査手続きに関する理論的問題である。<br />
　にもかかわらず将来インターネットが全普及した未来社会において世論調査はインターネットで実施されるだろう。国税庁のe-Taxより容易に本人確認ができて、何らかの手段で全有権者から無作為抽出した本人にアクセスできるような社会が到来すればインターネットで世論調査ができるようになる。面接か電話か郵便かインターネットかは測定方法の相違に過ぎない。問題は抽出方法に強く存在している。<br />
今のところ無作為抽出した標本に関してはインターネット調査の実施は難しいが携帯電話世帯の若者だけをインターネットで調査する混合方式の導入には可能性がある。<br />
　ところでインターネット世論調査には速報性がない。郵送調査に近いスピード感である。無作為抽出標本には回答したくない人も含まれるので督促も必要だし時間もかかるからである。<br />
回収率の低下問題をインターネットは直接的には解決しない。若者へのアクセス可能性に期待できる程度である。回収率が問われなくなるのはインターネットの普及ではなく伝統的な統計理論に代わるパラダイムに転換した時である。快く回答してくれた人だけの偏ったデータから母集団を推定できる理論が完成した時である。それができれば無理をおして一生懸命に協力をお願いする―という世論調査のスタイルはなくなる。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image"><a href="/column/search/upload/20100701_01.jpg"><img alt="20100701_01.jpg" src="/column/search/upload/20100701_01-thumb-560x287.jpg" width="560" height="287" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;"/></a></span>
＜図＞　日本経済新聞とYahoo!リサーチの鳩山内閣支持率


<p>両社の月次調査は同日には実施していないが同じ月に実施された結果を比較した。<br />
Yahoo! リサーチによる内閣支持率は，マスコミ各社よりも常に低い傾向で安定している。発足から４か月は平均15ポイントの差があるが，相関係数は0.99と極めて高い。絶対値は大きく異なるもののトレンドはほぼ同じであることを示している。<br />
<a href="http://www.nikkei-r.co.jp/phone/">http://www.nikkei-r.co.jp/phone/</a><br />
<a href="http://seiji.yahoo.co.jp/research/">http://seiji.yahoo.co.jp/research/</a></p>

<p>注1.世帯電話契約率の正確な統計は存在しない。NTTの住宅用契約件数と国勢調査の世帯数から算出すると90%＋αとなる。また2000年の固定電話普及率が96%だという調査結果もあるが近年は低下傾向にある。正確な統計を得るために国勢調査に通信環境に関する項目を追加すべきである。</p>

<p>注2.リテラリー・ダイジェストは200万人調査でランドン候補、ギャラップは3000人調査でルーズベルト候補の当選を予測したが結果はルーズベルトであった。大量観察（正確には2,376,523人だった）の偏った標本より少数でも代表性のある調査のほうが正確であることが示された有名な社会的事件である。リテラリー・ダイジェストはその後倒産した。</p>]]>

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