消費低迷時代に求められる牛肉ブランド
2009.04.07
米国産牛肉のBSE(牛海綿状脳症)問題で、日本の消費者の「食」への安心・安全意識が高まり、国産牛肉にとっては追い風となるはずでしたが・・・。価格の高いブランド牛肉は、ブランド偽装事件や長引く不況の影響で苦戦を強いられています。
日経リサーチが実施したバイヤー調査「国産ブランド牛肉」の結果が3月30日付の日経MJ(流通新聞)に掲載されました。総合得点では2位以下に40点以上の差をつけて「松阪牛」がトップになりました。以下、上位にはいわゆる「有名・高級ブランド」が並びますが、以前の調査と比較すると、その中にも変化の兆しがみられます。数年前ならばベスト10圏外だった「宮崎牛」が、東国原知事のトップセールスの効果により知名度が上昇し、ランキング3位に浮上しました。他のブランドとの比較による割安感も評価されています。逆に食肉卸販売業丸明による偽装が発覚した「飛騨牛」はベスト10に入らず11位となりました。
表1 国産ブランド牛肉総合評価ランキング


今回の調査では、今後の仕入れの仕方について「高価格帯ブランドの割合を増やす」と回答したバイヤーが6%にとどまったのに対し、「低価格帯ブランドの割合を増やす」と回答したバイヤーは59%と、不況の影響が現れている結果になりました。それ以外にも、これまでは「ブランド牛肉=黒毛和種」というイメージが定番でしたが、複数のバイヤーから「黒毛和種を減らし、割安な交雑種を増やしていく」という声も挙がりました。バイヤーは不況下でも、ブランド牛肉の販売にあの手この手で対抗しています。節約のために家で食事をする回数が増えている状況に対し、「休日の夕食や記念日の食事などをからめて、うまく販促していきたい」と考えています。
不況が続くであろう2009年、"値ごろ感と安心・安全"を兼ね備えながら、まだ消費者の認知度が高くないブランド牛肉の生産者は、PR手法や価格戦略を見直すことにより、大きくブランド価値を向上させ、ランキング圏内に躍り出るチャンスかもしれません。
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編集調査グループ 佐俣桂子