"住んでよし、訪れてよし"の地域とは?

2009.04.28

 みなさんは現在お住まいの都道府県を、自信を持って他の人にお勧めできますか?地域ブランドづくりの基本は、その地域に住んでいる人が本当に満足できることと、他の人に推奨できるものがあることが一番重要です。その結果として、他の地域の人に"ぜひ行ってみたい"と思ってもらうことにつながります。これが"住んでよし、訪れてよし"の地域づくりです。

 では実際に"住んでよし、訪れてよし"の地域はどんなところでしょうか?弊社で実施した「2008日経リサーチ地域ブランド戦略サーベイ」より、県内居住者からみた居住評価(住んでよし)と、全国からみた訪問意向(訪れてよし)で都道府県の傾向をみてみましょう。

 縦軸の居住評価(住んでよし)と、横軸の訪問意向(訪れてよし)ともにスコアの高い右上には「北海道」「沖縄県」「京都府」が位置しており、これらが"住んでよし、訪れてよし"の地域と考えられます。この3地域はブランド力の上位と一致しています。

 ところで、図の左上に注目すべき地域があります。全国からみた訪問意向(訪れてよし)は平均を下回るものの、県内からみた居住意向(住んでよし)が高い「三重県」と「愛媛県」です。「三重県」「愛媛県」ともに、県内から「なじみがあり、安心できる」「その地域に親しみがわく」という点で高く評価されています。また、「三重県」は「歴史や文化に触れられる」で、「愛媛県」は「懐かしい気持ちになれる」項目で、それぞれ県内の評価が高くなっています。住んでいる人にとっては地域に対する馴染み感や親しみとともに、居ながらにして文化や懐かしさに触れることができる居住環境が、"住んでよし"の要因となっているようです。
 しかし、「三重県」「愛媛県」は"住んでよし"の地としては高い評価ですが、全国からみた"訪れてよし"の評価が高くありません。県内からの評価では「三重県」は「名所や観光地」の項目で高く評価されていて、「伊勢神宮」や「志摩半島」、「熊野古道」などの多様な観光地とともに、「松阪牛」や「伊勢海老」をはじめとする豊富な海産物を持っている地域です。また「愛媛県」も「気候」の項目で高く評価されていて、瀬戸内の温暖さから全国有数の「みかん」の産地であり、また「道後温泉」や「松山城」などの観光資源も豊富です。今後は県内で感じられている地域の"心地のよさ"を、他県の人にも評価してもらうことが重要です。

 企業ブランドづくりでは、まず従業員にブランドの理解を促すことから始めます。なぜならブランドを作る主体は従業員だからです。
 地域ブランドも同様に、地域ブランドを作る主体はそこに住む住民です。外部からの評価ももちろん重要ですが、強いブランドを作るためには、まずは地域内部でブランドづくりの素地を整えることが大切ではないでしょうか。

■地域ブランド戦略サーベイ
http://www.nikkei-r.co.jp/service/branding/area-brand.html

市場調査 大阪・名古屋グループ 貫名敏