新型インフルエンザへの準備は大丈夫?(日用雑貨編)

2009.07.17

 このところ報道件数は減っているものの、厚生労働省発表による2009年7月7日時点の新型インフルエンザの患者数は、一般にインフルエンザが流行する時期ではないとされる梅雨時にもかかわらず、いつの間にか、全国45都道府県で1,852人にも上っています。今のところこの新型インフルエンザは弱毒性とされるため、一時のパニック的な騒ぎも落ち着きを見せていますが、国内での発生が判明した5月はマスクなどの予防グッズが品切れ続出となったのは記憶に新しいところです。 というわけで今回は日経POS情報サービス(注1)を使って、新型インフルエンザの国内発生以降、売れている商品を検証することにします。

 まずはマスクの週次販売トレンドから。

(出所:日経POS情報サービスより)

 千人当り販売金額(注2)は4月27日の週に4,953円とそれまでの479円から大きく跳ね上がりました。WHOが警戒レベルをフェーズ5に引き上げたのが4月30日、翌5月1日には日本初感染が報道されたのを受け、販売が大きく増加しています。翌週には一旦減少しましたが、首都圏で新たに感染者が判明した5月18日の週には、9,366円、個数換算で31.4個と販売のピークを迎えました。スーパーで千人当り販売個数が30個というと、食品では日配品である木綿豆腐、ペットボトル入りコーラ飲料のレベルにまでなります。また参考として昨年同週のマスク販売額も青線で示しましたので、比較すると今年の売れ行きがいかに特別だったかがこれでお分かりでしょう。  次に関連商品と思われるいくつかの商品カテゴリーの前年同週伸び率を比較しました。リストは4月27日の週を基準に、伸び率が大きかった順に並べていますが、多くの商品が5月18日の週に第二のピークを迎えています。前述のマスクはもとより、皮膚洗浄剤、ぬれティッシュ、ハンドソープ・手洗い専用せっけん、万能消臭・芳香・除菌剤、家事用・掃除用手袋などが大きく販売を伸ばしています。感染予防には手の殺菌・消毒が有効であるという意識がかなり浸透していることがうかがえます。

 興味深いのはガーゼ、箱入りティッシュはともかく、キッチンペーパー、さらには輪ゴムまでが売れていることです。これは市販マスクの品切れ対策としての手作りマスク需要からではないでしょうか。ちなみに"手作りマスク作り方"をWeb検索するとヒット数193,000件、"手作りマスク 輪ゴム"では29.000件。どれくらいの方が実際にマスクを作られたかは不明ですが...。 ばんそうこう、ベビー用紙おむつ、シャンプー、ヘアトリートメント・パック、練り歯磨きは日頃使っている商品の備蓄用の需要と思われます。ただし、4月20日や27日の週に見せた高い伸びは買い置きによる先行購買を意味し、その反動で5月以降は販売の落ち込みが見られました。また備蓄グッズとしてよくリストにあがる電池は、今回停電などの恐れのある自然災害ではないため、低い伸びに抑えられました。 大事な家族の一員であるペット用の商品も好調で、ドライタイプのドッグフード、キャットフードが販売を伸ばしています。

 ということで、次回は人間用の食品で売れたものは何か?をご紹介したいと思います。

(注1)日経POS情報サービスとは・・ 日本経済新聞デジタルメディアが展開する、全国有力スーパー、生協、コンビニエンスストアを対象とした独自POS情報サービス。日経リサーチではデータベース型サービスの「NEEDS-SCAN」とPOSデータを元にした「カスタマイズ分析型サービス」を提供する。

(注2)千人当たり金額・個数とは・・・ 千人の客が来店したときに、その商品がいくら売れたかを示す。地域・業態の規模や収録店舗の変動に関係なく、商品の売れ行きを計ることができる指標。

データ事業本部 渡 享子