エコポイント、迷走中? -エコカー減税との比較-
2009.08.06
今春、景気対策として発表された「エコポイント制度」と「エコカー減税」。ブロガーがこれらの景気対策に対して、どんな関心を寄せたのでしょうか。当社のブログ解析ツール「blogVizセンサー」を使って、追ってみます。
エコポイント制度は、一定基準の省エネ効果を満たした製品を購入すれば、国から他の商品と交換できるポイント(1ポイント=1円にほぼ相当)をもらう仕組みです。エコポイントがつく商品は、「冷蔵庫」「洗濯機」「地上デジタル放送対応テレビ」の3つの家電製品。
エコカー減税とは燃費基準や排ガス規制が一定レベル以上に達しているエコカーを 購入する際にかかる税金が免除および減額される制度で、現在販売好調のトヨタ自動車の「プリウス」、ホンダの「インサイト」などがその代表です。
4月10日に追加景気対策として発表されたので、4月12日の週からのクチコミの大きさの推移を、総合クチコミ指数BBI(BLOG BUZZ INDEX)で見てみました(図1)。「エコカー減税」と比較すると、エコポイントへの関心の高さが読み取れます。(エコカー減税のスコアは4月19日の週より計測)
図1:「エコポイント」「エコカー減税」のBBIの推移(2009年4月12日~7月18日)

*BBI・・・ブログ上で語られている話題の大きさを図るクチコミの総合指数。発信者数(ブログ記事の投稿者数)、話題波及者数(発信に対する反響した人の数)、コミュニケーション数(ブロガー間のコミュニケーションの活発度の度合い)の3指標合計値。クチコミの大きさを把握できる。
購入商品に対しエコポイントが実際に付与されるようになった5月15日を含む5月10日の週に最も高いBBIを記録。翌週から急降下するものの、6月の第2週から再び盛り上がりを見せます。これは「手続きの仕方やポイントの商品交換申請受付開始が7月1日であること(6月12日発表)」、「実際に交換できる商品の決定(6月19日発表)」といった制度の全容が明らかになったことがスコアの伸びにつながった模様です。実のところ、4月の発表時点では「ポイントの原資となる財源」、「実際に手続きを行う事務局」、「交換できる商品」など何も決まっておらず、見切り発車のまま出発進行。当時は「エコポイントを頂きましたが、このポイントってどのように使うの?」、「販売店の店員さんもよく分かっていない」、「思いつきのようなシステム」などブロガーは様子見をしていたようでした。 実際にエコポイントの申請受付が始まった7月1日を含む6月28日の週に第二のピークを迎えます。開始当日は事務局のHPにはアクセスが殺到し、開始2日間の申請件数は予想を大きく上回る1万7500件になった模様で、実際の行動からも高い関心が寄せられていることが分かります。
では、ブロガーはどのような評価をしているのでしょうか。「エコポイント」「エコカー減税」それぞれのブログへの書き込みをポジティブ(肯定的)、ネガティブ(否定的)評価の推移(図2)で見てみます。
図2-1:「エコポイント」ブログ文章評価の推移(4月~7月)

図2-2:「エコカー減税」ブログ文章評価の推移(4月~7月)

「エコポイント」については、6月から実際にエコポイントの申請受付が始まった7月にかけてポジティブ評価が上昇していますが、7月でもポジティブ評価は55%です。対照的に「エコカー減税」のポジティブ評価は、4月~7月の間60%前後で推移しています。
4月~7月を通じて「エコポイント」のポジティブ評価のほとんどは、「どうせ、今のテレビでは見られなくなるのだから買い換えるいい機会」、「どのような形で使えるか楽しみ」など「せっかくエコポイントがもらえるのだったら利用しよう(利用したい)」というお買い得感に対する評価です。
逆にネガティブ(否定的な)評価は、「なぜ消費電力の高い大型テレビほどエコポイントが高くつくのだ」、「古い製品が粗大ゴミとしてだされるのはエコに反する」、「扇風機にこそエコポイントをつけるべきでは」などエコを旗印としながら、主旨に反する制度内容に対する批判が目立ちます。7月に入り実際に申請を行った人からは「申請までの手続きが面倒」、「高齢者にはこの申請のやり方ではとても無理」などエコポイントの申請手続きのややこしさに閉口する辛口コメントもみられました。「インターネットで申請しても、実際には、領収書(レシート)の原本や保証書のコピーを添付して郵送する必要がある」、「ポイントが交換商品よりも少ない場合や書類の不備の場合などには差し戻され、やり直しを求められるケースもある」など、普段のショッピングで利用できるポイント制度に比べ、使い勝手の悪さが目に付くようです。
なお、エコカー減税については、「重量税と取得税が免除または軽減、13年以上の買い替え車には一定の補助金」という分かりやすい優遇措置(つまるところ「減税」)のためか、「人気があり性能の高いハイブリッドカーに適用されるのは魅力」、「40万円分のお得」、「エコカーの利用は環境にやさしい」といったポジティブ評価が、ネガティブ評価を上回っています。トヨタ自動車のハイブリッドカー新型「プリウス」が6月に軽自動車を含めたブランド別の新車乗用車販売台数で初めてトップ(日本自動車販売協会連合調べ)になるなど、うなずける結果となりました。
フィールド・オペレーショングループ 太田要