新型インフルエンザへの準備は大丈夫?(食品・飲料編)
2009.08.21
夏場にもかかわらず、新型インフルエンザの感染者数がじわじわと増加しています。もし、本格的な流行が始まれば、感染拡大を防ぐため、企業や学校は休みになり、個人も外出を控えたりすることになるでしょう。そうした場合に備え、長期間家にこもることができるだけの食料品や日用品の備蓄も必要となってきます。
前回のコラムでは、日経POS情報サービス(注1)を使って、今春、新型インフルエンザの流行でどんな日用雑貨が売れたかを検証しました。今回は同じ時期に売れた食品・飲料をご紹介します。
下の表では、保存食を中心とした食品・飲料の千人当りの販売金額(注2)が、前年同週よりどれだけ伸びたかを比較しました。それぞれの食品・飲料は、日本初の感染者が報道された5月1日を含む4月27日からの週で伸び率が大きかった順に並んでいます。

伸び率が64%と最も大きかったのは、今も変わらぬ保存・非常食の定番、「カンパン」でした。5年間と長期保存が可能なため、防災用備蓄食品の代表選手でもあります。8月11日未明に静岡県を中心に大きな地震がありましたが、あの地震の後、カンパンの備蓄をチェックしたご家庭も多かったのではないでしょうか。今回の調査では、同じく備蓄食品にリストされることが多い「脱脂粉乳・スキムミルク」も26%と大きく増加しました。
また、コンビーフ、牛肉のしぐれ煮を含む「畜肉缶詰」の31%増をはじめ、「水産缶詰」が11%増、ミカン缶、桃缶などの「果実缶詰」は8%増と、缶詰類はいずれも高い伸びとなりました。
「はちみつ」も感染者が判明した初期段階から安定して2ケタの伸びが続いています。「はちみつ」はインフルエンザ予防に有効な酵素を含むと言われています。酵素は生野菜や果物にも含まれていますが、外出を控えると生鮮食品を買う機会が限られますから、そのことも「はちみつ」の高い伸びにつながったと思われます。
日持ちのする穀類は、「もち」と「即席白飯・無菌包装白飯」が20%以上の伸びを示すなど概ね増加しました。加えてそれらの関連商材、例えば、「もち」に対する「ゆであずき・練りあん缶詰」、「即席白飯・無菌包装白飯」や「うるち米」に対する「レトルトカレー」、「ノリつくだ煮瓶詰」、「煮豆・きんとん」、「つくだ煮」、「乾パスタ」に対する「パスタソース」なども買われました。
菓子類ではかさ張らず、栄養価の高い「ビスケット・クッキー」のほか、「チョコレート」や「キャンデー・あめ菓子」なども増加しています。また、今回は地震のような電力・ガスなどのインフラに影響する災害ではなかったためか、冷凍保存が可能な「冷凍惣菜」が売れ行きを伸ばしています。
このように、「緑茶」以外のすべての商品が対前年比で増加を記録した後、いったんは売り上げを落としますが、多くの商品は、首都圏でも感染者が確認された5月18日からの週に第二のピークを迎えたのでした。
8月18日発表された国立感染症研究所のまとめによると、8月3日から9日までの1週間で新たに6万人が新型と思われるインフルエンザに感染し、既に流行期レベルとみられています。これから秋に向け、本格的な対策をお考えの皆様にとって、今後のご参考になれば幸いです。
(注1)日経POS情報サービスとは・・
日本経済新聞デジタルメディアが展開する、全国有力スーパー、生協、コンビニエンスストアを対象とした独自POS情報サービス。日経リサーチではデータベース型サービスの「NEEDS-SCAN」とPOSデータを元にした「カスタマイズ分析型サービス」を提供する。
(注2)千人当たり金額とは・・・
千人の客が来店したときに、その商品がいくら売れたかを示す。地域・業態の規模や収録店舗の変動に関係なく、商品の売れ行きを計ることができる指標。
データ事業本部 渡 享子