ブランド豚-デパ地下の新顔候補
2009.12.21
「●●豚」や「△△ポーク」など独自の名前をつけた、いわゆる"ブランド豚"と呼ばれる豚肉が一般の家庭でもだいぶおなじみになってきました。現在、日本にはそのようなブランド豚が実に250銘柄以上もあります。
2009年11月に実施した「国産ブランド豚肉に関するバイヤー調査」で、百貨店やスーパーのバイヤーにブランド豚32銘柄の評価を聞いたところ、黒豚の代表格「かごしま黒豚」が断トツの1位となりました。食肉市場で牛肉並みの値がつけられることもある「かごしま黒豚」はブランド豚の中でも別格です。以下、東京ブランドの「TOKYO-X」が2位、山形県・平田牧場の「平牧三元豚」が3位に入りました。
それでは、こうした有名ブランドに続きそうな注目のブランド豚は何か?ブランド肉がずらりと並ぶデパ地下の精肉売り場のバイヤーに、これから人気が出そうなイチ押しのブランド豚を教えてもらいました。
ところで、デパ地下らしいブランドとは一体どのようなものでしょう。多くの場合、私たちはデパ地下に日常の買い物とは少し違う"何か"を期待しているように思います。それはまず、ブランドの持つ「高級感」。そして、意外性を伴った「目新しさ」。最近は、生産者自らが新しいブランドを百貨店に売り込みに来ることも珍しくないそうです。ただ、そういった新規参入組も店頭に並ぶには、品質や安全を確認する厳しい審査を経なければなりません。あるバイヤーは「百貨店はとにかく品質が第一。その上で、これからは今までにない商品価値を持った商品を見つけ出していきたい」と言います。

そんな視点を持つ百貨店のバイヤーが注目しているブランド豚の1つが、信州・安曇野の「酵母豚」です。自然環境に恵まれた土地で、納豆やヨーグルト等の健康食品に多く含まれる酵母菌入りの飼料を使って育てた豚です。まだ市場にはほとんど出回っていませんが、豚肉に対してアレルギー反応を起こす子どもに対しても効果が期待されているそうです。
また、少し変わったところでは、バームクーヘンを餌にした「バームクーヘン豚(蔵尾ポーク)」という豚もあります。滋賀県近江八幡市の有名洋菓子ブランド「クラブハリエ」の人気商品であるバームクーヘンの切れ端などを乾燥させて細かくし、飼料として使用しています。豚肉には珍しい差しが入っており、霜降り肉になっているのが特徴です。
このように、従来にない特徴を持ったユニークな商品が登場しています。こうした豚肉は、デパ地下の売り場でキラリと光る、新しい付加価値を持ったブランドと言えます。
豚肉は価格の変動が少なく、一部の高級黒豚を除けばブランドごとの値段差もあまりありません。「和牛は高いし、脂肪分が多い」と考える健康志向の人にとって、ブランド豚はまさに"手が届きやすく、それでいてヘルシーな贅沢"です。デパ地下での買い物をワクワクさせてくれる、そんなブランド豚の登場が大いに楽しみです。
※1.日経リサーチでは、全国の百貨店・スーパーで、精肉・鮮魚・青果の仕入れを担当しているバイヤーを登録した「生鮮バイヤーパネル」を保有しています。生鮮ブランドに関する調査にご関心のある方は バイヤーアンケート 生鮮ブランド編 をご覧ください。
※2.11月30日付日経MJに掲載されました「バイヤー調査:国産ブランド豚肉」のクロス集計を販売しています。詳しくはお知らせ・プレスリリース をご覧ください。
編集調査グループ 尾崎朱子