魅力度最高の店舗はどこか? ストアブランド調査から①
2011.05.13
日経リサーチは顧客から委託された様々な調査以外に、前回まで取り上げた「地域ブランド戦略サーベイ」のような自ら企画した調査も多数、手がけている。今回紹介する「ストアブランド戦略サーベイ」もそのひとつだ。
実は、日経リサーチは過去にも似たような調査を何回か実施している。
まず、2004年から4年間実施したのが「ストア&サービスブランド500」だ。小売り・サービス業の代表的なブランド約500を対象に、それから得られる「感動経験」をキーワードに各ブランドの魅力度を調査した。ちなみに2007年の第4回調査で感動を得られるブランドのランキングベストテンは次のようだった。
小売り・外食店だけでなく、エンターテインメント施設や高級ホテルなども顔を出し、さながら最強ブランドを決める異種格闘技のバトルロイヤルのようだ。ランキングに使用したのは「経験価値指数」で、「エモーション」(感情に訴える魅力)、「プレゼンス」(他との違い、メッセージ性)、「パフォーマンス」(品質や性能の良さ、利便性)という3つの要素で構成される。ブランドを購入・利用したときに得られる感動の程度について、3要素合計18項目に渡って消費者にたずね、その経験価値を指数化した。
「ストア&サービスブランド500」は2009年、「ストア&サービス顧客接点評価調査」に衣替えした。対象ブランドはエンタメ施設などを除く一方、ネットショッピングなどの通信販売を加え、251と半分以下に絞り込んだ。調査内容は消費者の感動体験よりも利用実感を反映できるよう改め、「商品・サービス」「店舗・施設・ホームページ」「接客・アフターサービス」「コミュニケーション」というお客様との直接の接点になる4つの分野で各ブランドを採点した。この時の総合ランキングベストテンは次のようになった。
「ブランド500」で1位だったTDRをはじめ、旭山動物園、全日空、USJの4ブランドは所属業種が調査対象から外れたため姿を消し、新たに対象に加わったアマゾンが6位に顔を出した。規模が小さく、知名度でも劣る青山フラワーマーケットが3位に食い込み、注目を集めた。1位の東急ハンズ以下、ユニクロ、無印良品、帝国ホテル、スタバという5ブランドは前調査に続いてベストテン入りし、消費者からの根強い支持を印象付けた。
そして2011年、「ストア&サービス顧客接点評価調査」をさらにリニューアルしたのが今回の「ストアブランド戦略サーベイ」である。
調査名から「サービス」という言葉がなくなったことからもわかるように、調査対象からホテル、旅行代理店、スポーツクラブなどのサービス業を外し、小売業や飲食業、複合商業施設の店舗・施設が放つ魅力度の評価に焦点を絞った。実店舗を持たないアマゾンなどの通信販売も調査対象から除く一方、新たに居酒屋やショールームを加えた346ブランドについて、今年1月、全国の16歳以上の男女延べ2万8千人に、その魅力度を評価してもらった。その総合ランキングベストテンは次の通り。
日常生活で毎日のように利用する身近な飲食店や小売店が並んだ。首位に輝いたモスバーガーをはじめ、ミスタードーナツ、マクドナルドと前調査ではベストテン入りを逃したファストフード店が3ブランドも上位に入ったのが目を引く。実はモスバーガーは2位以下に30ポイント以上の差をつけてほぼ独走だった。 新参組に対し、スタバ、無印良品、東急ハンズ、ユニクロ、イオンの5ブランドは調査内容が変わった今回も引き続きベストテンに名を連ねた。特に、イオンを除く4ブランドは「ストア&サービスブランド500」当時からのベストテン組で、調査内容が変わっても消費者の間では極めて安定した評価を獲得している。いわば「最強ストアブランド四天王」といったところか。 今回、ランキングの作成にあたり評価基準としたのが「場力(ばぢから)PQ」だ。これは日経リサーチが独自に数値化した、小売業や飲食業の店舗・施設という「場」が持つ「魅力度」を示す指標で、各ストアブランドについて、お客様がそのブランドの店に行ってみたいかという「来店意向」、その店で過ごす時間を特別だと思うかという「時間消費プレミアム」、その店で買い物をしたいかという「購入・利用意向」、その店を他人に勧めたいかという「推奨意向」、という4項目の評価を分析し、総合して算出した。 「場力PQ」を比較することにより、そのブランドの店舗・施設が提供する商品・サービス、イメージなどは、ライバルに比べどこがどう優れているのか、劣っているのか、劣っている場合はどこをどう改善すれば良いのか、そのヒントをつかむことができる。 次回は、モスバーガーはなぜマクドナルドより上だったのか、無印良品、東急ハンズ、ユニクロの順位はどうして決まったのか、などランキングをもう少し詳しくみていくことにする。
<参考リンク> ストアブランド戦略サーベイ(ま)