中国での企業ブランド力、首位はアップル、日系企業ではソニーがトップ。 -中国版ブランド戦略サーベイより-

2012.01.24

 日経リサーチでは、これまで日本国内で、独自の指標PQ(Brand Perception Quotient) を用いて、企業ブランドの測定・評価をし、お客様の企業ブランド力強化のための施策を提案してきた(ブランド戦略サーベイ)。グローバルなビジネス展開を実施する日系企業のニーズに応えるべく、昨年から、同フレームを用いて、海外でのブランド価値測定調査を開始した。
 初年度にあたる昨年は、まず中国で420社の企業ブランドを対象に調査を実施。調査は2011年7月に北京・上海・広州に住む16歳以上の男女7662人から回答を得た。(1企業ブランドにつき約500人の回答)。日本と中国それぞれの市場における自社のポジショニングを比較、確認し、今後の中国市場展開におけるベンチマークデータとして活用できるものとなっている。

【ソニー、パナソニックが健闘するも、日系企業はやや劣勢】
まず、PQ総合指数トップ25を表1に示した。
 

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 上位企業を見ると、中国企業や欧米系企業が多くランクインしている。日本勢はソニー、パナソニックが20位以内に入ったが、全体的には今一歩の印象が否めない。トップ20に絞って見ると、欧米系の大企業が11社と健闘している。その内訳は、ドイツが5社、米国が4社、その他2社となっており、欧米系の中でもドイツ系が多くランクインした。中国人消費者のドイツブランドへの評価の高さが伺える。なお、中国系では、ショッピングサイトとして人気の高い淘宝や百度、QQも、20位以内にランクインしており、中国でも近年急速に発展しているIT市場の隆盛を示している。

【日本版下位のアップル、ハイアールが中国版で躍進】
 次に、ソニー、パナソニックが健闘している電機分野の特徴を、日本版ブランド戦略サーベイの結果と比較しながら見ていきたい。電機分野における日本ブランド※をPQの高い順に並べてみたのが下の図1である。米アップルと中国のハイアールも、日本版との比較のために一覧に加えた。中国版では、上からソニー、パナソニック、キヤノン、シャープの順。一方、日本版では、パナソニックがトップ。続いてソニー、シャープが続く。中国では、電機分野は確かに日本ブランドのプレゼンスが大きい分野ではあるが、日本版の結果と比べると、ソニーが2位に上がったものの、日本版で上位のパナソニック、シャープは中国版では順位を落としている。また、日本版では下位に位置するアップルやハイアールが中国版では上位に食い込み、日系企業の大きな競合相手となっている。
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【独自性・愛着度のアップル、自分必要度のソニー】
 では、総合PQの高かったトップ2ブランドに注目して見てみよう。アップル 、ソニーは一体何が評価されて高いブランド力を獲得しているのだろうか。
ブランド戦略サーベイでは、総合PQを下支えするものとして、自分必要度、独自性、愛着度、プレミアム(ブランドプレミアム・価格プレミアム)、推奨意向の5つを基本指標として設定している。表2が、2ブランドの基本指標である。これを見ると、両社はいずれの指標でも高いスコアを獲得しているが、中でも、アップルは「独自性」と「愛着度」が、ソニーは「自分必要度」が評価され、高いブランド力を得ていることが分かる。


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 また、アップルの「独自性」、「愛着度」、そして、ソニーの「自分必要度」を利用・購入状況別に見たデータを簡単に紹介すると、アップルは、現ユーザーだけでなく、離反ユーザーやノンユーザーでも「独自性」で8割超、「愛着度」で7割以上のスコアを獲得している。ソニーの「自分必要度」は、現ユーザーの9割弱、ノンユーザーでも5割以上と高いスコアを示した。両社ともに、利用経験の有無に関わらず、多くの消費者に好意的に受け止められ、支持されており、中国において2社のブランド力が確立されていることを物語っている。

【中国でのブランド価値向上に向けて】
 今回、例に挙げたアップルやソニーのように、中国版ブランド戦略サーベイでは、業種の垣根を越えた自社の総合的なブランド価値を測定し、自社ブランドが現在どのように認知、知覚されているのか、また、その背景となるブランドの浸透状況を把握することができる。中国でのブランド戦略を中長期的に実行していく上でのベンチマークとして是非活用していただきたい。
 さらにブランド価値向上に取り組むためには、ブランドの魅力点やイメージ、ブランドと消費者との接点、また、結果的にその企業の商品やサービスからどのような価値が得られるかといった、ブランド価値向上のためのアプローチも必要となる。

 

(営業本部ソリューション部国際調査グループ 西山知見)