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南米のクリスマス!(ペルー・ブラジル・コロンビア)

2008.12.19

 毎年この時期になると、街やお店のBGMにクリスマスソングが流れ始め、クリスマスツリーやイルミネーションの点灯式に人々が集まります。クリスマスケーキの予約や、クリスマスプレゼントの準備、お家の中にも小さなツリーを飾ったり、お庭やベランダに電飾を施したり、当日はクリスマスパーティーに参加したり、外食に出かけたり・・・日本全体がなんとなくお祭りのような雰囲気。デパートやおもちゃ屋さんなどはクリスマス商戦に向けて今から準備に余念がない様子です。日本にも、クリスマスは一大イベントとしてすっかり定着しました。

 海外ではどんなクリスマスを過ごしているのでしょうか。今回は南米(ブラジル、ペルー、コロンビア)出身の留学生に、母国でのクリスマスについて教えてもらいました。

ペルー

 日系人の最所(さいしょ)さんは「クリスマスはペルーの年中行事の中でもっとも大事にされている」と言います。スペイン語で12月24日クリスマスイブの夜を「ノーチェ・ブエナ("Noche Buena" 英語の意味は"Good Night")」といって、家族が集まってクリスマスをお祝いして過ごすそうです。

ペルーでは国民の90%以上がクリスチャン。ノーチェ・ブエナの前後には、礼拝が行われます。右の写真は、ペルーの首都リマにあるカトリックの教会、ラス・ナサレナス教会での礼拝の様子です。

クリスマスのプレゼントというのはイエス・キリスト降誕のお話に出てくる"東方の三博士からの贈り物"を意味しているのですが、子供たちはアメリカの影響もあって、「サンタクロース(スペイン語では、パパ・ノエル)からプレゼントがもらえる!」と信じているようです。

イエス・キリストの生誕を祝うため、家族はイエス降誕の場面を描いたジオラマを作ります。

以前はクリスマスツリーや飾り付けなどはあまりしなかったそうですが、アメリカの影響で、写真のようにビル全体にクリスマスのデコレーションをしたり、クリスマスツリーを準備したりすることがペルーでも一般的になったのだそうです。

クリスマスの食事としては、ホットチョコレートやパネトーネと呼ばれる菓子パン、そしてワインをいただくお家が多いそう。メインディッシュに七面鳥の丸焼き!豪勢ですね。

こちらがパネトーネ。
日本のクリスマスケーキと比べると少し地味・・・?

ブラジル

 次は、フレデリコさんとマルコスさんの出身地ブラジルです。ブラジルはいまや世界最大のカトリック信者を抱える国。そのためクリスマスは最も重要な宗教的儀式だということです。マルコスさんは、ブラジルのキリスト教はかつてポルトガル領であった時代にもたらされたため、ブラジルのクリスマスもやはりヨーロッパの伝統に倣っていることを教えてくれました。  

クリスマスツリーを飾るのもやはりヨーロッパの伝統。この写真はブラジルのショッピングモールに飾られたツリーです。よく見ると、そのすぐ後ろにやしの木が見えますね。 南半球に位置し、熱帯と亜熱帯地域で構成されているブラジルでは、クリスマスを夏に迎えるので、このような光景が見られるのです。

  ブラジルでも、"Presepio"と呼ばれるイエス・キリストの降誕のシーンを再現した一種のジオラマを作ります。教会、家、お店などあらゆる場所で目にすることができます。

  こちらは"Presepio"の変化形。インディアンと熱帯地域の動物に囲まれていて、ブラジル独自の歴史をイエス降誕の場面に融合させたバージョンです。イエス・キリストは、藁(わら)ではなくて、バナナの葉っぱにくるまれています。

フレデリコさんのお宅。子供たちがツリーの前で嬉しそうにプレゼントを抱えています。やはりブラジルでも、子供はいい子にしていればサンタにプレゼントをもらえるみたいですね。
ちなみに、この時期ブラジルは夏なので、グリーンランドからやってくるサンタは赤いシルク製の洋服を着ているそうです。

ブラジルでもクリスマスのディナーは特別。七面鳥、ハムのほか、テーブルごとに様々なフルーツやナッツ、お米や野菜とパネトーネで飾り付けられたメニューをいただきます。
こちらはマルコスさんのお宅の、クリスマス当日のランチ。ブラジルでは、新年は友達と過ごしても、クリスマスのような神聖な日は家族と過ごすのが一般的なのだそうです。25日のクリスマスに家族みんなでランチをとっているところです。

フレデリコさんのご自宅。クリスマスイブには家族全員が集まり、夜の8時くらいからお菓子で語り合いが始まります。
11時頃、いよいよクリスマスも本番。"Presepio"のある部屋に集まってお祈りをします。家族の中で一番小さな子が、幼いイエス・キリストの写真を"Presepio"の藁の上に置きます。写真は、おめかしした子供たちがお祈りのためにお部屋に入場する様子です。みんな「きよしこの夜」を歌いながら入ってきます。そこに家族の一人がサンタクロースに扮して登場。子供たちにプレゼントを渡し、大人たちもプレゼントを交換し合います。そのあとに、豪華なディナーが始まります。
深夜には教会でのミサに参加したり、テレビで放映されるミサの様子を見たりします。そして翌日のクリスマス当日に、またお祈りをするために教会に行くのだそうです。

フレデリコさんの故郷の町では、イルミネーションが施された家の前で子供たちがクリスマスソングを歌って町の人を楽しませます。
町を挙げてのイベントなのですね。

 そのほか、クリスマスには貧しい人々のためにサンタクロースの格好をして車で街をまわり、プレゼントやお菓子を配ることもあるそうです。
 フレデリコさんは「クリスマスは、ものを買ったり、プレゼントしたり、といった側面もあるけれど、同時に自分達の精神性や行動を振り返ったり、他の人に親切にしたりすることなどについて考える重要な機会でもある」と言っています。

コロンビア

 最後に、コロンビア出身のアンドレさんにコロンビアのクリスマスについて教えてもらいました。

コロンビアも国民の多くがカトリック教徒なので、クリスマスは非常に重要なイベント。写真はクリスマス用に飾りつけられたコロンビアの教会です。

12月16日から24日までの9日間、毎日キリスト教の儀式と"Novena"と呼ばれるお祈りが続けられます。そして24日の深夜には、人々が教会に集まり、ミサを行い、キリストの写真にキスをしてイエス生誕を祝うそうです。

コロンビアでもやはりクリスマスツリーがよく飾られています。ちょっと他と違うのは、子供たちがプレゼントをねだるのはサンタではなく、「幼な子イエス」であるということ。子供たちはイエスに手紙を書いて欲しいプレゼントを書きます。そして、一年間いい子にしていれば手紙に書いたプレゼントをイエスが持って来てくれる、と信じているのだそうです。 大人たちもプレゼント交換をします。12月の初めにツリーの下にプレゼントを置いて、クリスマスイブにお互いへのプレゼントを開けるのだそうです。ワクワクしそうですね。

コロンビアでもイエス降誕の場面を描いた"The Nativity"は一般的。生まれたばかりのイエス・キリストが飼い葉おけのなかで眠り、両親のヨセフとマリア、東方の三博士もしっかり描かれています。この周りで9日間のお祈りや、クリスマスソングを歌ったりするそうです。大変神聖な場所なのですね。
"Novena"のお祈りは、大家族や友達同士が会ってお祈りを一緒にするほかに、伝統的なクリスマスの食事をする機会でもあります。"Buñuelo" というチーズ味の揚げ物や、"Natilla"というプディングを楽しみます。その他のクリスマスの伝統的なメニューは、"Tamal"と呼ばれる豚肉や鶏肉、野菜ととうもろこしを挽いたものとまぜてバナナの葉で包んだものや、"Ajiaco"という鶏肉や3種類の芋とスパイスで味付けしたスープを飲むそうです。

12月8日には「キャンドル・デイ」があります。お家の通りに面した部分や街が、クリスマスのイルミネーションで光り輝きます。

南米では、人々の信仰心と切り離せない「お祭り」であることがわかりました。家族が集まって絆を確認し合い、自分たちの信じる宗教について改めて敬虔な気持ちになって向き合うためのイベントなのですね。今年のクリスマスは、私たちも美しいイルミネーションを見物したり、お買い物や豪華なディナーを楽しんだりするだけでなく、ちょっと厳粛な気持ちになってクリスマスについて考えてみるのもよいかもしれません。
※写真は本人の了解を得て掲載しています。

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