米俳優とCNN、Twitterでの戦い-勝者は誰だ?
2009.05.12
ここ数週間、俳優のAshton Kutcher氏とメディア大手のCNNが、人気急上昇中のSNSサイトTwitterのフォロワー数100万人達成という記録をめぐりバトルを繰り広げていました。(※Twitterとはユーザーが「つぶやき」を投稿し「フォロワー」と呼ばれるTwitter上のお友達とコミュニケーションを取るという米ソーシャルメディアの一つです。)Kutcher氏は奥様のDemi Moore氏とともにTwitterのヘビーユーザーとして有名なのだそうですが、最近自分のフォロワー数がランキングトップのCNNに肉薄していることに気付き、「もしCNNより先に100万フォロワーを獲得したら、Ted Turner氏(CNNのファウンダー)の家をピンポンダッシュする!」と宣言しました。なんだか情けない公約ですが、これがアメリカで最も稼ぐ司会者Oprah Winfrey氏やCNNの有名キャスターLarry King氏も巻き込んだ大騒動となりました。結果は、Kutcher氏が先に100万人を獲得し勝者となりましたが、この騒動、本当に得した人がどうも他にいるようなのです。
今回新規登録者をたくさん稼いだであろうTwitter社ももちろんこの恩恵に預かっていると思いますが、この騒動をめぐってもう一人話題になった人がいました。Twitter内のCNNサイト「CNNbrk」を運営しているJames Cox氏です。実は「CNNbrk」はJames Cox氏という個人のアカウントによって運営されていたのです。Kutcher氏に強制的に当事者にさせられたCNNは、結局この運営者とコンサルタント契約を結んだそうです。金額は公表されていませんが、一般的なコンサルタント費以上の金額が払われたのではないかと噂されています。Twitterの規約上、アカウントの売買が禁止されているということもあるのかもしれませんが、買収ではなく現状の形のままコンサルタント契約を結ぶというのが面白いですね。
最近、FacebookやMySpace、TwitterなどのSNSに大手企業の製品ブランドページというものが増えてきています。消費者と直接コミュニケーションが取れるこのようなページは、今後確実に増加していくと思われますが、今回のCNNのケースは今後の流れに一石を投じることになるのかもしれません。消費者が独自に作っているファンサイトを、企業がゆるい形でサポートしていく。今回の騒動の本当の勝者は、こういうファンサイトを作っていく消費者なのかもしれません。こういうマーケティングのあり方、ちょっと面白いと思いませんか?
ニューヨーク駐在 木村久生