ブラジルも難関大は競争率数十倍 世界の教育事情①
2011.12.14
日経リサーチでは世界各地の制度や習慣、生活様式などの情報を収集するため、海外からの留学生をCommunication Ambassadorとし、様々な話題を聞いています。
今回はブラジル出身のイヴァナ・アルメディアさんに教育事情についてうかがいました。
私立の小中学校が人気
基本は9・3・4制で、小学・中学校にあたる初等教育が6歳から14歳までの9年間、高校にあたる中等教育が15歳から17歳までの3年間、そして大学、大学院へと進みます。義務教育は初等教育の9年ですが、法律が改定される2006年以前は8年でした。中等教育でも技術系のコースでは4年間の場合もあります。大学もコースにより4年から6年と幅があります。
午前と午後で2部制の小学校も
下の図は初等教育5年次(11歳)の1週間の時間割の例です。ポルトガル語は国語です。数学、理科、地理、歴史などは日本でもおなじみです。宗教の学習やチャペルでのお祈りの時間があるのは独特。
英語教育は5年次から始まります。外国語としてはスペイン語もあります。どの外国語を学ぶかは学校の方針によりますが、英語とスペイン語の2つがポピュラーなようです。しかし、ブラジルの学校における英語教育は概してレベルが高くありません。そのため、英語をちゃんと勉強しようとする生徒はもっと小さい時から外部の語学スクールに通っています。
時間割を見ると、1時間目は7時10分と朝早くから始まります。授業があるのは、ほぼ午前中のみで、お昼頃には終わります。これは、1つの校舎を2部、3部に分けて使っているためです。この学校の場合、午後の部のクラスがあります。
午前のクラスに在籍する生徒はお昼で帰宅し、自宅でランチを食べた後、裕福な家庭の子供は語学スクールに通ったり、柔道、カポイエラ(ブラジルの伝統武道)、バレエなどのお稽古事に通ったりします。一方、所得の低い家庭の生徒は午後から仕事をすることも珍しくありません。

高校受験は存在せず
初等、中等教育へ進む時には試験はありません。大学進学時に初めて受験をします。大学に入るにはVestibularという試験にパスしなければなりません。試験は統一試験でなく大学ごとに作成されます。公立の有名校では競争率も何十倍に達するほどの難関です。志望校に落ちた人は私立大学へ行くか浪人してまた一年後に受験します。そのため、大学受験のための予備校もあり、模擬試験を受けるのは日本と同様です。
大学受験の厳しさは日本も同じですが、ブラジルでは貧富の差によって受けられる教育のレベルが大きく異なります。これからもっと経済発展し、所得が向上するにつれて受験関連ビジネスや教育産業の需要が増すのではないかと思います。