インド:クリケットワールドカップの優勝で経済効果はマイナス?
2011.09.05
クリケットは、インドの国技である。世界競技人口の数では、サッカーについで2番目と言われている。もちろん、インドの貢献度は高い。
日本ではあまり馴染みのないクリケットなので、多少ルールを説明したい。
野球の原型といわれるクリケットは、11人のチームが守備と攻撃に分かれて戦うスポーツ。バッターの後ろにある棒にボールが当たらないようバットで守るという簡単なルール。打者は、でかいバットでワンバンした球を360度の何処にでも打ってよいので、なかなかアウトにならない。よって、同じ打者(2人ペア)が何回も連続で打つことになる。つまり、「王」「長嶋」が試合中に長らく打席につくようなものである。
さて、インド人にとってクリケットは、ボリウッドの映画と人気を争うエンターテイメントであり、日系のみならず欧米企業のトップ企業が広告塔として利用している。私がインドに訪れたときは、ワールドカップが終わって2ヶ月ほど経っていたのにも関わらず、空港内の広告、屋外広告、テレビ広告、新聞広告など、インドの何処にいてもクリケット、クリケット、クリケットの状態であった。特に、パナソニックや東芝など日系企業が活発であった。
左からパナソニックの屋外広告、ペプシの屋外広告、東芝の新聞広告
今年のワールドカップで最終的にインドが優勝したことは、インド国民にとってはホッとしたのではないか。オーストラリアが3連覇した前回07年のワールドカップでは、自殺者やショックによる心臓発作で亡くなる人が多数であったとロイターが報道していた。
一方、経済効果的には不活発だったのかも知れない。インド商工会議所連合会(ASSOCHAM)の調査によると、従業員の5人に1人は休暇や早退をするであろうと発表。今回、2週間の出張で私は多くの企業に訪問したが、決勝戦やインド国民にとって重要な試合(パキスタン戦)では、仕事にならなかったと訪問した先々で、耳にした。また地場の企業では、臨時休業した企業も多かったとのこと。流通業者も何かと理由をつけて、この時期はサービスをしないそうなので、この時期のインド全体の生産性はかなり低かったことと想像できる。
また、優勝セールなどのイベントもするような慣習がないらしく、優勝したことでのインド経済の活性化はあまり感じられない。
事実上の決勝戦と言われた準決勝でインドにパキスタンが負けた時、パキスタンの多くの家では、テレビが破壊されたと報道された。その後のTV需要を考えると、負けた国のほうが、経済効果は高かったのではないかと思ってしまう。
「消費に保守的なインド人」は、古くなっても壊れるまで製品を使い続けるのが普通である。新しい製品に早く買い替えをする時は、自分らで製品を破壊ぐらいなのかも知れない。
http://indiacurrentaffairs.org/icc-world-cup-cricket-fever-to-hit-work-productivity/http://uk.reuters.com/article/2007/03/25/uk-cricket-world-india-fan-idUKDEL7609120070325http://news.xinhuanet.com/english2010/world/2011-03/31/c_13807851.htmwww.cricket.or.jp/01/121.php