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「顧客不満足度調査」の意義 ~専門家寄稿

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 お客様との絆(きずな)を強く、太くしたいと、日々さまざまな活動に取り組まれている方は多いと思います。お客様の本音や潜在ニーズをつかみ、次の一手を打つために効果的とされる「顧客不満足度調査」について、長年にわたり実務・研究に取り組んでこられた株式会社武田マネジメントシステムスの武田 哲男代表取締役に寄稿していただきました。

 

 

 

【1】 CS調査の意義

1.「CS=CSM」である

 CS(顧客満足)は、1991年7月「CS経営のすすめ」日本能率協会(以下、JMAとする)・編著で「理論編」として日本発の出版となった。

 アメリカではCustomer Satisfactionと表現していたので、CSという表現は日本発といえる。以降、世界規模でCSが広がった。ただしJMAはCustomer Satisfaction Managementを表題にしていたのに、CSM(CS経営)としなかったために、残念ながら日本でのCSに誤解が生じた。

 航空機・客室乗務員の退職者達がマナー講座を「CS研修」としていたために「CS=マナー研修」との誤解が加速した。JMA編著のサブタイトルには「お客様満足向上への全社的取組み」としていた主旨を1992年4月「CS推進ここがポイント」武田哲男著としてJMAからCS「実務書」が発刊された。以来、現在に至るまで各社のCS導入が継続し、企業のCS・CSM・サービスに関するお手伝いをしてきた。幸いにしていずれの企業も業績好調である。

 駄弁を弄したが、あくまでも「CS=CSM」であることを再認識していただくためである。

2.企業発か?顧客発か?

 「どのようなモノを作れば売れるか」「どうやって売ろうか」は企業発の考え方すなわち企業第一主義・企業中心主義、企業重点主義であり、この考え方では顧客は商品・サービスをあまり購入しない

 多くの市場構成は、90%以上が既に購入体験を持つ製品(商品)の買い替え・買い増しにあり、サービスに関してはリピーター・リピートオーダーが市場規模としては大きいのが実態である。普及率市場とか、選択率市場とか、成熟市場とかコモディティ化などが語られている背景である。

つまり持ちたいモノを一通り持ち、体験したいサービスを目一杯体験している市場は顕在需要、同質・同類化の市場である。

 だから「いま、世の中に現存しない商品・サービスで欲しいのは何?」という質問をしても、ほとんどの人々は「私が欲しい商品・サービスは○○」と即座に答えられない

 顧客の潜在ニーズはその点からするとブラックボックスなのである。

 「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」「犬も歩けば棒に当たる」は通用しない『非連続』状況にある。

 ともあれ「顧客が理解できずに顧客に満足提供はおぼつかない」時代である。

 だから企業発の考え方「何が売れるか?」「どのように売ろうか?」の取り組みには膨大な費用負担を要する。加えて顧客が積極的に購入しないから、大切な資源・人的労力をムダに消費し続ける。このムダを金額に換算すると、あまりにもロス率が高すぎることを再認識するはずであり、事実、ミス・クレーム・トラブル・事故・事件の基盤になっていて顧客満足どころの話ではなく、企業ブランドの崩壊に連動する由々しき事態を招く環境下にある。

3.「顧客づくり」「顧客つなぎ」「顧客つづき」の女神のサイクル

 先に挙げた買い替え・買い増し市場が90%以上ということは、「生まれて初めて購入」「当社で初購入」はわずか数パーセントとなる。つまり初購入顧客である新規顧客の開拓は非常に難しいことを意味している。多くの場合、だから新規顧客は他社の顧客を当社顧客にブランドスイッチする場面が圧倒的に多い。一方、多くの「業種」、例えば美容サロン、飲食店、旅館など○○業と言われている分野は苦戦を強いられ、関連分野だが別の業種への越境によるボーダレス・シームレス化が進んでいる。美容サロンがエステ、ネイル、医療分野、飲食業を融合させた新たな業態は成功を手中に収め、なお更なる発展形態を取っている例が次々に誕生している。

 いずれにせよ新規顧客の開拓は重要。だが更に重要なことは顧客の継続購入である。しかも2度目の購入が非常に大切なのは2度目がなければ3度目以降が存在しないからである。多くの市場規模が急ピッチに縮小している時代は、更に顧客との良質で永いご縁の創造が目的となる。

 しかし、現実には製造し販売すればするほど、製品購入、サービス体験顧客を増やすほどにその分だけ顧客を失う「悪魔のサイクル」を加速する。"賽の河原"状況に陥る現実がある。

 ここで重要なことは早急に顧客の「潜在意識」「顧客の潜在ニーズ」「顧客の本音」を理解することである。

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 何よりもその深堀りのための手法、「不満足度調査」が機能を発揮する

 

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