株式会社日経リサーチ
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「顧客不満足度調査」の意義【2】

~専門家寄稿

【2】 「不満足度調査」はなぜ採用され続けているのか

1.3つの取組み

 「顧客の潜在ニーズ」「顧客の本音」が理解できないと、顧客に満足感を提供することは難しい。

 特に「顧客満足」だけを知っても、明確な「次の一手」の把握は難しい。確かに顧客満足度が高ければ、広告・宣伝には活用できる。ご同慶の至りだが、その背後に多くの去って行く顧客不満が存在している面はどうするのか。一過性の顧客満足に舞い上がるばかりではなく、本当の顧客満足を創造しないと調査の貢献度は減少する。今後の業績確保は約束されないどころか、実際によくあるケースだが、満足度の点数が毎年上昇しているのに、業績が低迷ないしは下降線では説得力に欠ける。顧客満足と業績との因果関係があいまいでは経営レベルの話にはならない。

 早急に、業績に貢献するための明確な顧客の「潜在ニーズ」「次の一手」を確保する必要がある。

(1)「改善」「改良」「革新」活動

 一般的には「ことが起ってから取り組む」後追いを「改善」と称している。何事も起らなければ改善に着手しない。だから多くの「改善」は後手対応、対処療法を意味している。

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 ゼロを基準とした場合、ゼロから下は各種の問題、マイナス要素として認識している「改善」エリアとする。改善はAの問題に取り組んでも、通常はBのレベルにしか至らない。また、Cは上手く行ったとしてもゼロの位置。満足でもなく不満足でもないレベルだ。

 通常の改善活動から顧客満足を創造することはかなり難しい。なお、Dは世の中の満足度の平均点で80点。すなわち5段階評価の「良い・満足」の「4」に該当する。このレベルが現在の世間相場」だから、80点ではドングリの背比べとなる。例えば百貨店は80点を確保するのになぜ衰退・消滅の道を歩むのか。平均点以上の企業に顧客が移っていくからといえる。81~89点は「まあまあ良い」を更に良くする「改良」エリアである。このエリアでは現在の製品(商品)・サービスに様々な新たな機能を加え、新サービスを付加し目新しさを生んでいる。なお、Eの90点以上の課題に取り組むことで、ゼロから下の課題を吸収することが出来る。ちなみに90~100点までが「革新」エリアである。

 例えば運送会社が荷物を引き受ける時間を16時締め切りとしていたが、「せめて17時に」という顧客要望のために17時にした。更に「18時にして欲しい」の要望にも従ったが、更に・・・という声に対応するのが「改善」活動の流れ。これを思い切って24時間365日受け付けますとしたら、顧客数が大幅に増加、などは(実例)革新。革新は改善の現象面を吸収する例である。

2.「不満足度調査」の意義

 改善課題に取り組んでも滅多に満足創造につながらない理由は、修復・補修で当たり前レベルだからであり、満足を生むには至らないからだ。とはいえ放置しておくと顧客を失い続け、時にトラブルを招くから改善課題は緊急取組み事態と捉え、早急に手を打つ必要がある。 

 しかしながら企業に伝わる顧客の不満、特にクレームは全体の約4%でしかない(米国)。日本では1~3%(当社調べ)。また、「改良」課題についても「現在のまあ良い」を更に良くするために、顧客の「不」の要素を知ることが大切だ。「不」は顧客が求めていること、潜在ニーズだから「不」が顧客満足を呼び起こし、企業業績に多大な貢献をするシークレット・ゾーンである

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 一方「革新」エリアに関しては、先に挙げたとおり現在のところ世に存在しない製品(商品)・サービスで、「これが欲しい」と顧客が表明できないことから、顧客の「グチ」「困っていること」「不満」の把握が新製品・新サービス・新システム・新設備・新人間力革新を生む基となりヒントとなる重要な要素である。実際に企業業績好調、『新』を生み出す基盤になっていて、その実例は次々に誕生している。だが、どの企業も「当社は『不』満足度調査を実施している」とは表明しないから、その実情を知らない企業は多い。

 ともかく顧客のグチ・困っていること・不満は顧客の「潜在ニーズ」なのだが、その中身を知るためには特別の手法・ノウハウが必要であり、それが「不満足度調査」なのである。

 

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