株式会社日経リサーチ

「顧客不満足度調査」の意義【3】

~専門家寄稿

【3】 「不満足度調査R」の結果とその活用ならびに成果

1.「不満足度調査」採用企業の目的に添った活動

(1)調査後の具体的な活動

  「定量・定性の因果関係分析編」「定性データ編」2分冊の報告書による報告会の開催。

    ほとんどの企業は社長、役員をはじめ経営層がまず調査結果の報告会に参加。
    理由は経営者として顧客の生の声を知る必要があるからだ
    (もちろん企業規模によっては全員参加型の報告会となる)。
    課題は大きく4つの分類となる。

    A.全社レベルの課題:戦略課題
    B.事業単位の課題:戦術課題
    C.現場単位の課題:実践的課題
    D.企業として取り組む特別課題:例えば新製品・新サービス・新システム等の開発など。

  課題に応じた組織横断的プロジェクトチームの編成と活動開始。

  経過報告会、結果報告会、評価・意志決定・順次課題解決による導入/実活動開始。

(2)「不満足度調査」を採用した企業の成果例

  企業が把握できてなかったミス・クレーム・トラブル・事件・事故の兆候と原因把握
    ならびに背景を未然にキャッチし緊急解決を図る。

  マイナス要素の緊急対応。後追いの『改善』活動から未然の解決を図る活動への変革
    顧客と企業のWin Win & Happy Happyの関係構築(CSM)。

  現在の良さを更に良くする『改良』。そして当社初・業界初・日本初・世界初の創造・革新。

    A.新製品開発
    B.新サービス開発
    C.新システム開発
    D.新人間力開発・意識革新
    E.新設備・新施設開発
    F.製品・サービスの品質管理と品質保証 ほか

2.コストダウンの本質とロスコストとの関係性

 組織は縦割りが主流、産業革命以降の分業・モジュール化の進行、機械化・コンピュータ化・ロボット化・IT・ICT・IoTなどの進展により、顧客意識とのズレ幅が拡大している。

 特に製品(商品)・サービス・システムは組織内ですら統合・融合がなされていないために顧客とのコミュニケーション力は低下し、アナログ関係も急ピッチに劣化し、製品・サービスも同様に顧客との関係性が悪化する傾向を見せている。クレーム・トラブル増加の背景である。

 ちなみに機械は多くの部品・部材の接合により形をなしているが、例えば一つ部品が優れ、他はまあまあであると、必然的にアンバランスを招く。部品の接着、溶接により機械の姿は形成するが、それぞれの部品が単に接合しているだけで融合しているわけではない「物」である。

 だから全体機能のアンバランスが生じ、一つの部品のトラブルは全体を悪化させる。いずれもコストダウンが前提だからクレーム・トラブル・事故・事件は増加の一途をたどっている。

 いま多く発生している数え切れない問題の基盤である。

 「不満足度調査」を採用している企業では事前に課題解決を図る上に、更に顧客満足のための課題解決と作り込みとシームレス化を図るから顧客に支持される製品・サービスとなる

 これこそが大幅なコストダウンに貢献。ちなみに乗用車のエアバッグのトラブルは全体で何兆円のロスコスト。下手なコストダウンで浮いた金額と是非とも比較して見ていただきたい。

 もちろん、コストダウンは大切な要件だ。しかしその基盤は「知恵」「工夫」「技術力」にあり、節操のないコストダウンは本質ではない。どれだけ膨大な後追い費用が発生しているかについては縦割り組織の企業内で算定は難しい。組織横断的な取り組みが見えないコスト、例えば「新製品・新サービス開発即トラブル」の連続では、営業・サービス担当者のヤル気喪失につながり、見えないところで顧客を失い続ける。

 逆に次のような課題解決は組織に貢献する。

(1)ミス・クレーム・トラブルなどのリスクマネジメントと連動した顧客の信頼性促進。
(2)問題発生時の莫大なロスコストの未然削減と顧客満足の創造。
(3)事故・事件の未然防止。クライシスマネジメントの比重軽減。
   製品・サービスの品質管理(嘘・だます・ごまかす・隠す・手を抜くなどの根絶)、品質管理・品質保証の向上。
(4)新規市場・新規需要・新規顧客の開拓、ファン、信者顧客の増加に多大な貢献。
(5)顧客継続購入の促進と顧客との良質で永いご縁の創造。
(6)新製品・新サービス・新システム・新設備・新人間力開発等への貢献。
(7)CS(CSM)・ES(社員満足)向上ならびに社員のヤル気向上に伴う離職率の低減とステークホールダーの満足向上。
(8)コンプライアンス・CSR・CSV(Creating Shared Value=企業・社会の共有価値創造)ガバナンスなどへの貢献
(9)真の顧客満足の確保。
(10)「業績=顧客の支持率」達成!

 以上は、30年近く取り組んで来た「不満足度調査」活動の一端のご案内である。

 

武田哲男氏のプロフィール

株式会社武田マネジメントシステムス(http://www.service-lab-tms.co.jp
代表取締役 武田 哲男

出身 東京都

略歴:立教大学経済学部経営学科卒後、服部時計店(現・セイコー)入社。小売部門の和光勤務時「サービス」の課題に出逢い研究パイオニア・ライフワーク。約10年後、本田技研工業N360問題PJ参加で退職。JMAで日本初CS実務書発刊。CSのパイオニアとして日・台・韓・中国・米・独・仏国のCS経営コンサルティング。「真の顧客理解ができずに顧客に満足提供はできない」ことから顧客の「潜在ニーズ」を浮き彫りにするため「不満足度調査R」開発。その後、精度向上に合わせ1999年に商標登録。乗用車・住宅・建築・エネルギー・IT・食分野ほか約300業種のメーカー・サービス業に関する調査実施中。
セミナー・研修講師も多い。著書100冊以上。

 

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