株式会社日経リサーチ

顧客満足度(CS)調査の活用のコツ

 調査をしているのになかなか顧客満足度(CS)が上がらない、CSは上がったが、それが成果につながらない…そんなCS調査に関するお悩みに、お答えします。

 顧客満足度(CS)調査を実施する企業は少なくありませんが、その一方で、調査に関して様々な悩みを抱えている企業もあるようです。そこで、そんな代表的なお悩み事例から、CS調査の実施上や活用上のポイントを探ってみました。
お悩み事例1:CSのスコアがなかなか上がらないのはなぜ?
  • 調査はやりっぱなしでは効果は上がらない
 通常、CS調査は全社の取り組みとして経営企画、営業企画、品質管理といった間接部門的な部署が主導で実施するようです。そのため、調査結果の全社展開はするものの、そのあとは各部門に“お任せ”で、PDCAサイクルにうまく組み込めていない企業が多いものと思われます。
 実際、調査結果の共有は各部門の実態や思惑もあってどの企業も苦労しているようです。各部門向けの結果をフィードバックするシート(工夫が必要)、ワークショップ、研修などで問題を認識し、課題化してアクションプランに落とし込み、それをPDCAに載せることが大切ですが、この部分の難易度が高いのです。
  • 調査が営業や店舗評価に偏重していないか?
 顧客との接点は当然、営業や店舗といったフロントラインが一番多く、関係性もわかりやすいので、評価もしやすい。そのため、調査項目がどうしても現場寄りになってしまい、結局、そうした問題ばかりが取り上げられてしまう傾向があるようです。
 CSに関してはフロントラインだけの努力ではどうにもならない問題が数多くあるわけで、時に、CS調査の結果がいたずらに現場を疲弊させるケースも見受けられます。
 フロントラインだけでなく、バックヤードも含めた会社全体を評価できる調査項目を準備し、調査を通じて全社的に組織的な対応が取れる体制を目指さなければ、CS向上活動は長続きしません。
  • 活用のコツ
① CS調査はフロントラインだけでなく、バックヤードを含む会社全体を評価できるようにすること
② CS調査から抽出した課題は、経営レベル、中間の事業本部レベル、現場レベルの3つに分けること
③ 現場においてはあれもこれもではなく、1~3個程度の取り組み課題に絞り込んだ上で、PDCAに載せること
お悩み事例2:CSのスコアの伸びが頭打ちで、なかなか上がらなくなった
  • CSの変動には複雑な条件・要素が絡んでいる
 CS調査を始めた当初は数字も上昇傾向を示しますが、どの程度上昇するかは期待値との関係で大きく変わってくる上、日本企業の商品・サービスの品質は一般的に高く、バラツキも少ないので、たちまち伸びが頭打ちになることも多いようです。
 良い商品やサービスに出会った顧客は、以後、それが満足度の標準になるでしょう。また、いくら企業努力をしても競合がそれ以上に努力すれば、期待したような数値は得られないかも知れません。このようにCSの変動には複雑な条件・要素が絡んでおり、データ分析にはなかなか悩ましいものがあります。
  • ニーズ探索も進め、企業自身の進化が必要
 CS調査と同時に、多くの企業ではニーズ探索も必要になってきます。顧客に支持され続けるには、企業自身が顧客にあわせて変化しなければならないのです。CSの調査項目やPDCAの高度化、新しい商品・サービスの投入なども進め、進化していかなければ、CSはある程度まで上昇すると伸び悩みあるいは低下する傾向に陥ってしまいます。
  • 活用のコツ
④ 調査結果変動の背景にある企業活動との関係や類似のケースを分析し、何が起きていて、何が問題で、何をなすべきか検討すること
⑤ 顧客の顕在・潜在ニーズを探索し、次のステージに向けた活動も行うこと
お悩み事例3:CSのスコアが上がっても成果につながらない。顧客離反が止まらない
  • 顧客が満足していても安心するなかれ
 顧客は自社の商品・サービスに満足している。それでも、競合がもっと良いものを提供したら、競合が価格をずっと値下げしたら、どうでしょう? たとえ満足感を示している顧客でも、それぞれにここは絶対譲れないとか、ここはある程度まで妥協できるとか、様々な評価ポイントがあり、いろいろな要素を天秤にかけながら購入・利用を決めていくのです。
  • 顧客の意識を解明し、将来の行動を予測する
 顧客に関しては、幸いなことに各企業は売上額や購入商品・頻度等の実データを保有しています。一方、CS調査では顧客に実際の行動の背景にある意識(評価や理由)を聞いています。ITの進化に伴い、当社では顧客離反や売上高などの変動とCS調査の結果を連動させて、顧客の今後の購買行動などをある程度予想してみようという試みも始めています。
  • 活用のコツ
⑥ CS調査の結果を、競合比較の視点や顧客の選択メカニズムなどを含めて分析し、効果的な施策を打つこと
⑦ CS調査の結果だけでなく、顧客の実データも活用して行動を予想、先回りして施策を打つこと

CSのような顧客を対象とする調査は、ベーシックな調査ですが、奥は深いのです。
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