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商圏センサスデータからみる注目商業施設のイマ

~渋谷vs銀座・新宿の最新SC~
 商圏センサスは首都圏と関西圏・中京圏の居住者の、商業施設・エリア・駅の利用状況とプロフィールや嗜好に関するデータを定点観測し、データベース化しているサービスです。今回は最新の首都圏センサス調査の結果から、東京都心部の注目商業施設のイマをお伝えします。
■首都圏(一都三県)居住者利用商業施設 集客力ランキング
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 最新の首都圏センサス調査(2016年9月実施)で首都圏(一都三県)居住者が3カ月以内に利用した商業施設の集客力ランキングをみてみると、1位が伊勢丹新宿店、2位は渋谷ヒカリエ、3位は西武池袋本店でした。
 トップ5に百貨店が並ぶ中、ショッピングセンター(SC)として最高位に輝いたのが2位の渋谷ヒカリエです。オープンして約4年経ちますが、開業当初から人気が高く、その人気は今も衰えません。渋谷ヒカリエは渋谷駅直結という立地はもちろん、ショッピング、グルメ、カルチャーなど様々な需要を満たしていることも上位に入る理由の一つかもしれません。2016年9月にはフードフロアのリニューアルも実施し、利用者を飽きさせることなく、新しい情報を発信し続けています。
 今回はそんな渋谷ヒカリエと、2016年春にオープンして注目を集めた2カ所のSC、東急プラザ銀座と新宿のNEWoMan(ニュウマン)についてみてみたいと思います。

 全体のランキングで東急プラザ銀座は29位と、新宿のビックロや横浜・みなとみらいのランドマークプラザと同程度の利用率でした。一方、NEWoManは82位で、利用率は高島屋日本橋店やコレド日本橋、東急百貨店渋谷本店、ルミネ立川などと肩を並べています。
 東急プラザ銀座もNEWoManも調査時点では開業から半年程度しか経っていませんでした。東急プラザ銀座は「Creative Japan~世界は、ここから、おもしろくなる。~」、NEWoManは「女性が輝き続けることができる経験と価値を提供する」とそれぞれ明確なコンセプトを打ち出し、高級感と目新しさを意識したブランドを数多く揃えています。今後、その存在が浸透していけば、利用率の伸びも期待できそうです。

 では、次に、渋谷ヒカリエを加えた3施設の利用者はどんな方たちなのか、みてみましょう。
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 首都圏センサスの調査結果から、各施設を利用していると回答した方の特徴と、併用している施設をまとめると、利用者の人物像や買い回り行動の状況などがみえてきます。
①東急プラザ銀座
 女性の利用が7割強で、職業別では女性会社員や専業主婦が多く利用しています。世帯年収は銀座という土地柄か、3施設では最も高い867万円。1カ月のお小遣いも5万円を超え、他の2施設を1万円以上上回っています。既婚者が5割以上を占め、施設へのリピート意向も7割を超えています。ライフスタイル意識では、特に「食」と「ファッション・デザイン」へのこだわりが強いようで、東急プラザ銀座のコンセプトや各フロアのショップなどともうまくマッチしているのではないでしょうか。
 東急プラザ銀座利用者の併用商業施設をみると、3位の渋谷ヒカリエを除き、1位の銀座三越、2位のルミネ有楽町店など、上位には銀座・有楽町・日比谷エリアの近隣施設が多くランクインしています。エリア内を中心に、東京メトロやJRなどで移動しやすい場所にも足を伸ばして、買い回りをしている利用者像がみえてきます。
■東急プラザ銀座利用者の併用商業施設ランキング
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②NEWoMan
 施設名やコンセプトの通り、女性の利用率が8割弱と3施設で最も高く、未婚者も5割超を占めているのが特徴です。女性会社員の利用が多く、対照的に男性会社員や専業主婦の割合は低くなっています。他の2施設と比べると世帯年収が低めですが、1カ月のお小遣いは渋谷ヒカリエ利用者を上回り、比較的、自分事に消費ができる利用者が多いようです。特にファッションやデザインへのこだわりが強いことから、おしゃれな店舗構成に魅かれる、未婚のOL層が利用者像として推測されます。
 NEWoMan利用者の併用商業施設は、上位を新宿エリアが占めています。全体ランキングで1位の伊勢丹新宿店を押さえ、1位にルミネ新宿、2位にルミネエスト新宿、更に4位に高島屋新宿店など新宿駅付近で買い回りをしている利用者が多いことも特徴的です。新宿エリアの商業施設は魅力的でバリエーションに富んでおり、他エリアに足を伸ばさずとも、需要を満たせるということでしょう。
■NEWoMan利用者の併用商業施設ランキング
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③渋谷ヒカリエ
 新顔の2施設と比べると男性の利用が多く、幅広い年代層が訪れている施設です。職業別では、男性会社員が女性会社員を上回っており、専業主婦の利用もみられます。子供がいる既婚者の来場がやや多いせいか、1カ月のお小遣いは他の2施設より少なめです。リピート意向が8割超と極めて高く、ライフスタイル意識では、「健康」や「自己啓発」に対する関心が高いです。他の2施設と異なり、食品・惣菜を揃えたデパ地下的エリアを備え、日用品の買い物もできるなど、男女ともに利用しやすい店舗構成が評価され、安定した利用者数を獲得できているのでしょう。
 渋谷ヒカリエ利用者の併用商業施設は1位が伊勢丹新宿店で、以下、東急百貨店東横店、銀座三越、渋谷マークシティ、ルミネ新宿と並び、渋谷を起点にエリアをまたいで買い回りをしている層が多い傾向がうかがえます。東急プラザ銀座が11位にランクインしており、両施設の利用者の親和性の高さも感じられます。
■渋谷ヒカリエ利用者の併用商業施設ランキング
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 これから東京は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、一段と開発が加速していきます。2017年春にはGINZA SIXが開業し、渋谷地区の再開発も進みます。集客力のある商業施設が新たに開業することで相乗的にエリア自体が活気づき、更にエリアとしてのチカラが伸びていくことが期待できます。一方、既存の施設にとっては、競争が激化する中、いかに特徴を打ち出し、顧客を確保するかが試されることになりそうです。
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