株式会社日経リサーチ
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労働生産性KPI向上企業、「トップメッセージ」「経営指標として情報発信」を重視

「働き方改革」71%が経営にプラス、ホワイトカラーの生産性は過半数が「把握」
 株式会社日経リサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三宅誠一)は企業にとって最大の関心事のひとつとなっている「働き方改革」に関して、企業の現況やビジネスパーソンの意識を探る調査を実施しました。調査では特に、企業が直面する喫緊の経営課題である「生産性向上」に焦点を当てています。
「収益性」「生産性」「人材確保」が3大課題、「働き方改革」87%が取り組み中
 まず、国内の上場企業に現在直面している重要な経営課題を複数回答で聞きました(図1)。337社からのご回答で1位は「収益性向上」の71.2%。次いで「従業員の労働生産性の向上」が65.6%で2位に入り、「人材の確保」が65.0%で3位に続きました。6割以上の企業があげたこの3項目が目下、企業にとって最大の経営課題といえそうです。
図1 現在直面している重要な経営課題
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 このような様々な経営課題を解決する手段として今、大きな注目を集めているのが「働き方改革」です。実際、上場企業の70.9%は働き方改革が経営にとって「(「非常に」または「やや」)」プラスと考えており(図2)、86.6%の企業はすでに働き方改革に「(「十分に」または「ある程度」)取り組んでいる」と答えています。
図2 働き方改革が経営に与える影響
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 上記の3大経営課題のうち、「働き方改革」と最も密接な関係がある「労働生産性の向上」について、少し詳しく見てみましょう。「生産性向上」のためには、まず従業員の生産性を把握しておく必要があります。有力企業に勤務する課長職以上のビジネスパーソン840人にご回答いただいた「ホワイトカラーの生産性に関する調査」によると、勤務先がオフィスで働くホワイトカラーの生産性を把握しているか聞いたところ、「はっきりとした指標を持っている」が10.2%、「いくつかの指標を確認するなどして、おおよその状況は把握している」が41.3%で、過半数の企業が生産性を把握していました。「はっきりした指標を持っている」企業は非製造業(12.0%)が製造業(8.5%)を上回りました(図3)。
図3 オフィスワーカーの生産性の把握状況
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生産性のKPIは「残業時間」が最多、施策では各種「休暇制度の導入」がトップ
 では、どんな項目を生産性の指標(KPI)にしているのでしょうか。ホワイトカラーの生産性を測る具体的な指標を複数回答で聞いた結果、「所定外労働時間/残業時間」が26.2%で最も多く、次いで「(一人当たり)売上高」が21.8%、「年間総労働時間」が19.8%で続きました。製造業と非製造業を比べると、製造業は「新商品や新事業など新しい取り組みに対する個数や売り上げ」を指標にしている企業(7.6%)が非製造業を4ポイント上回りました。一方、非製造業では「売上高」(23.9%)や「コスト削減率」(19.1%)が製造業を4ポイント前後上回っています。ただ、「残業時間」や「年次有給休暇取得率の改善」といった労働環境面の指標では大きな差異は見られませんでした(図4)。
図4 生産性の指標(KPI)を何にしているか
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 それでは、生産性はどんな施策によって向上しているのでしょう。各社が取り組んでいる施策としては、「有給休暇やリフレッシュ休暇などの制度の導入」がトップで70.6%、2位は「残業時間の削減や総労働時間の短縮」で66.2%、「育児休業や介護休業、長期休業制度などライフスタイルに柔軟に対応する休業制度」が63.7%で3位となり、「働き方改革」の代表的な取り組み事例が上位に並びました(図5)。
図5 生産性向上への取り組み~全体とKPI向上企業
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オフィスワーカーの「生産性」が「向上した」35%、トップダウンの取り組みがカギ
 今度は生産性が向上している企業について見てみましょう。勤務先が正社員のオフィスワーカーに対して設定している生産性のKPIについて、直近1年間で1項目以上「向上した(「大幅に」や「少し」も含む)」と回答した企業を「生産性が向上した企業」とみなすと、全体の35.2%を占めました。取り組んでいる施策を見ると、1位と2位は全体と同じでしたが、3位には全体では8位だった「経営トップからの働き方や生産性などに関する方針の社内共有」が入りました。向上した企業の69.6%が実施しており、全体とは19ポイントものスコア差がありました。また、全体で14位だった「経営指標として働き方や生産性に関する項目を明確にし、常に情報を発信している」が67.6%で6位になりました。こちらの全体とのスコア差は24.9ポイントに達します。生産性が向上した企業の多くは様々な制度を導入するだけでなく、明確な方針を策定し、「経営トップからのメッセージ」や「経営指標としての情報発信」といった形で従業員に浸透させるなど、トップダウンで取り組みを進めていることが分かります。

 もちろん、すべての企業が同じ施策で生産性向上を達成できるわけではありません。KPIも各企業の実情や特性などに応じて設定する必要があります。日経リサーチは働き方改革や生産性向上組織活性化など、皆様が直面する様々な課題を解決するための調査・ソリューションのメニューを数多く取り揃えており、ニーズに沿った対応が可能です。また、当社は働き方改革や技術革新を通じて、生産性向上に取り組む企業を支援する日本経済新聞社グループの大型プロジェクト「日経Smart Work(スマート・ワーク)」に参画しています。総合調査会社として長年培ったノウハウを活かし、企業の競争力を解析する大規模な調査、日経「スマートワーク経営」調査を今年から継続的に実施します。その成果にもご期待ください。

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