Case

ブランド調査とNPS調査を活用し、各国の自律的なブランディングを推進

ヤマハ発動機株式会社

グローバル規模でブランド価値を高める取り組みを推進するヤマハ発動機は、日経リサーチのブランド調査とNPS調査を活用している。導入の経緯と活用法について、企画・財務本部 経営企画部 ブランド推進グループ、グループリーダーの大塚 恵氏に話を聞いた。

4.ヤマハ発動機

ヤマハ発動機株式会社
企画・財務本部経営企画部 ブランド推進グループ
グループリーダー 大塚 恵 氏
※社名・部署・役職はインタビュー当時のものです

 

Q.貴社の「ブランド」に対する考え方を教えてください。

大塚氏 当社は企業目的である「感動創造企業」実現に向けて、2013年にお客様をわくわくさせるという意味の「Revs your Heart (レヴズユアハート)」というブランドスローガンを、2017年にはヤマハらしさを表す「発、悦、信、魅、結」という5つの言葉を掲げました。これらの「企業目的」「ブランドスローガン」「ヤマハらしさ」を旗頭に、グローバル全体で、ブランド力を高める取り組みを進めています。そして、その第一歩となるのが、インターナルブランディングの強化です。まずは、社員ひとりひとりがヤマハのブランドとはどういうものか、しっかりと理解することが重要です。そして、社員一丸となって、「感動創造企業」として感動の輪を広げることで、ブランド価値と企業価値を高め、感動を生み出し続けるという考えです。これをヤマハ感動サイクルとよんでいます。

Q.ブランド推進グループの役割を教えてください。

大塚氏 現在のブランド推進の取り組みは、2012年に発足した、本社経営陣と海外主要13拠点のトップで構成される会議体を基点に進めています。ブランディングの中心的な役割を果たすのが、経営会議の諮問機関であるブランド委員会で、その事務局役が我々ブランド推進グループです。

Q.具体的にどのような活動をしてきたのでしょうか?

大塚氏 ブランド推進グループでは、日本はもちろん、各グローバル拠点と関連会社の社員約7万人全てが、ブランドに対して同じ認識を持つための活動を行っています。具体的には、ブランドブックやムービーを作り、ヤマハブランドに対する考え方について、言葉以外の表現でも発信しています。特に、ヤマハらしさを表す「発、悦、信、魅、結」という5つの言葉については、ムービーにすることで、海外の社員にも理解しやすくなったと感じています。また、別の取り組みとしては、ブランド力を10の視点で点数化するInterbrand社の「Brand Strength Score(BSS)」というメソッドを用いて、各地域のブランドの強さを分析しています。課題の把握はもちろん、取り組みの成果を客観的かつ定量的に計測することができます。その結果を基に、拠点毎にワークショップを行い、改善のためのアクションプランを策定、実行することでPDCAサイクルを回していきます。

Q.社内を動かすための仕掛けを教えてください。

大塚氏 BSSで明らかになった課題のひとつに、「社内のブランドガバナンスが弱い」ことがありました。これを改善するための取り組みのベースになっているのが「自律的なガバナンス」という考え方。一般的に、ブランドガバナンスというと「ブランド組織で決めたものを必ず使って下さい」ということが多いと思います。しかし、我々が目指すのは、具体的な取り組みを各拠点が自律的に行うという体制です。我々が用意するのはルールではなく、モジュール化してグローバル共通で使えるツール。その中で各市場や拠点に合うものを取り入れて使ってもらっています。調査結果を基にしたワークショップでも、「自律的なガバナンス」を意識してアクションプランを策定します。

Q.調査をどのように活用されていますか?

大塚氏 調査は顧客調査と従業員調査、そしてディーラー調査の結果がベースになっています。この中で、従業員調査とディーラー調査は各拠点で行っていますが、顧客調査は日経リサーチに依頼しています。これらの調査は、今後も取り組みの効果を測定するために2年ごとに行う予定です。

Q.日経リサーチを選んだ理由をお聞かせください。

大塚氏 1つ目の理由は、日経のブランドがあり、信頼できるということ。2つ目は、コストが適正だということです。実際に調査を実施して、問題が出ていないことこそが、その判断の正しさを証明していると考えています。

Q.「NPS調査」も利用されていますが、どのような狙いで始めたのでしょうか?

大塚氏 NPS調査はお客様とのエンゲージメントがどれだけ築けているかを計るためのものです。ブランド力を評価するには、様々な視点から総合的に見る必要があるので、2018年からブランド調査と併せて活用しています。こちらも定期的に実施し、経年変化を見ていくつもりです。

Q.調査の結果について、どのような感想をお持ちですか?

大塚氏 特にASEAN諸国で厳しい状況にあることを再認識しました。すでにタイではこの結果を元にワークショップを実施し、顧客のロイヤルティーをいかに高めるかという議論を行っています。これまで感覚で捉えていたことを定量的に押さえることで、課題が明白になるのはとても意味のあることです。ブランド推進の取り組みは、調査結果が活動の基点になっているので、そこを支えていただいている日経リサーチは重要なパートナーです。取り組みが進むにつれやりたいことが増え、調査の切り口などについて様々な要望を出していますが、そのようなことにも柔軟に対応していただけるのも心強いですね。

※本文中に記載されているNPSはサトメトリックス、ベイン・アンド・カンパニー、フレッドライクヘルドの登録商標です。また、本文中に記載されている会社名、製品名は各社登録商標または商標です。

課題・背景

  • グローバル全体のブランド力強化のためインターナルブランディングを実施。
  • 各拠点で自律的なブランディング活動を促すため、拠り所となる適切な指標が必要に。

実施内容

  • 世界各国でブランド調査(顧客調査)を実施。取り組みの効果測定に活用。
  • ブランド力を多面的に把握するために顧客のエンゲージメントを計るNPS調査を新たに開始。

効果

  • 各事業部、地域の課題を定量的に把握。自社ワークショップからアクションプランを策定。
  • リアルイベントなどを通じ、「感動創造企業」としての一体感を醸成。

世界65カ国以上における現地調査実績

本社主導のマネジメントではグローバルKPIを共通の指標で測定し、各国とベクトルを合わせながら成長することが大切です。日経リサーチは世界各国の現地事情や過去のハンドリングノウハウをベースに、調査設計から実行まできめ細やかに対応します。

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