株式会社日経リサーチ

自主調査レポート
キャッシュレス決済は日本に浸透するのか?

延べ1万人の調査結果データを公開!
 諸外国に比べて遅れていると言われてきたキャッシュレス化の波がようやく日本にも押し寄せてきた。政府もキャッシュレス決済の普及に乗り出しており、IT・通信企業をはじめ、流通業や銀行もQRコード決済に参入するなど、事業者間の競争も激しい。2019年10月の消費増税時には、政府が景気対策としてポイント還元を予定しており、これをきっかけに普及が進む可能性もある、そこで、日経リサーチは5月に平日と休日の2回に分けて、延べ約1万人を対象に「キャッシュレス決済に関する調査」を実施。各種支払方法やサービスの認知と利用状況について聞いた。
QRコード決済は認知にばらつき、普及はこれから
 まず、電子マネー・QRコード決済サービスについて、登録・所有状況と認知を尋ねた。「交通系電子マネー(Suica、PASMOなど)」の認知度は9割を超え、登録・所有している人は約7割と他のキャッシュレス決済サービスを圧倒した。次いで認知が進んでいるのは、いずれも流通大手が展開する「nanaco」と「WAON」。2012年6月に楽天の名前をブランドに冠した「楽天Edy」の認知度も高い。この3つのいずれかを登録・所有している人も4割を超える。
 一方、2018年から各社の参入が相次いだQRコード決済は、「PayPay」をはじめ、「楽天Pay」、「LINE Pay」などIT大手が展開する一部のサービスは7割強の人に認知されていた。他方、「ゆうちょPay」や「りそなウォレット」など銀行系サービスの認知度は1割~3割程度。サービス開始から間もないこともあり、消費者へのアピールはこれからのようだ。ただ、QRコード決済で認知度トップのPayPayでさえ、実際に登録している人は1割強で、普及は遅れている。日常的に消費者に使われるサービスになるのはまだまだこれからだ。
グラフ1:各種決済サービスの登録・所有状況と認知度
各種決済サービスの登録・所有状況と認知度
キャッシュレス決済の浸透は業態で差がある
 では、様々な決済サービスがある中で、消費者はどのように支払方法を選択しているのか。調査では、現金やクレジットカードも含めて、前日の買い物での支払方法を尋ねている。ここでは、店舗の業態別に支払方法を見てみよう。
 現金以外での支払いを「キャッシュレス」と定義すると、キャッシュレス化が進んでいるのは家電量販店とスーパーで、支払いのうち6割弱がキャッシュレス決済であった。逆に現金での支払いが多いのが、飲食店(コーヒーショップ・ファーストフード・ファミレス)で過半数を占めており、キャッシュレス化が進んでいないことがわかる。
グラフ2:店舗別の支払方法
店舗別の支払方法
「クレジットカード」と「電子マネー」「QRコード決済」は支払金額で使い分け
 さらにキュッシュレス決済に絞ると、消費者が支払金額によっても決済手段を使い分けている様子がうかがえる。例えば、クレジットカードは1回の支払金額が小さい場合は、あまり利用されない傾向にある。現金を含む決済手段全体の内訳を見ると、本調査で1回当たりの支払金額が1,000円を下回ると推計されるコンビニでは、クレジットカードは27%しか利用されていない。これは支払金額が1万円を超える家電量販店の3分の1だ。逆に利用が多いのが「電子マネー(ICチップ型)」(47%)で、「QRコード決済」(14%)も他の業態に比べて多く利用されている。コンビニで小銭代わりに電子マネーやQRコード決済が使われていることは、多くの方が実感していると思う。7月からは、セブン―イレブンが「PayPay」など複数のQRコード決済に対応すると同時に、独自のQRコード決済「7pay」を開始した。ファミリーマートも同じく独自の「ファミペイ」をスタート。各社、クーポンやポイント還元などによってQRコード決済の利用を促しており、コンビニでは今後一段と利用者が増えそうだ。
グラフ3:キャッシュレス決済絞り店舗別の支払方法
キャッシュレス決済絞り店舗別の支払方法
消費増税に向けて、QRコード決済の普及とキュッシュレスの浸透に注目
 QRコード決済は事業会社の多くがサービス開始から間もなく、認知はされているものの、実際にサービス登録をしている人は少ない。まずはどのようにしてサービス登録をしてもらうかが、普及に向けた最初のハードルとなる。ただ、サービス登録が済んだとしても、いかに日常の様々な決済シーンでサービスを利用してもらうかという次のハードルがある。コンビニでの少額多頻度決済でQRコード決済を使い始めた消費者に対しても、どうすれば他業態の店舗や高額支払いの決済でも利用を促すことができるかという課題がある。まずは、今年10月の消費増税時に予定されているポイント還元を利用シーンの拡大につなげられるか。関連企業の今後の取り組みとキュッシュレス浸透の行方を引き続き、注目していきたい。
事業会社(店舗)ごとの支払方法のデータをダウンロードできます。
主要チェーンごとに支払方法の詳細なデータをダウンロードして閲覧可能。コンビニやスーパー、飲食店も各チェーン・各決済ブランド単位の支払方法がご覧いただけます。ECサイトでの支払方法も確認できます。
下記より必要項目をご入力いただき、ダウンロードページヘお進みください。
「キャッシュレス決済に関する調査」調査実施概要
  平日編 休日編
調査期間 2019年5月30日(木)~31日(金) 2019年5月26日(日)~27日(月)
※回答者には、回答の前日の購買行動について聴取
調査対象 全国の一般個人
回答者数5,139人
全国の一般個人
回答者数5,225人

※今回のコラムでは、平日編と休日編を合算して集計しています。同一回答者がいた場合、認知度の計算は、先に実施した休日編の回答をベースにしました。

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