外出自粛がもたらす生活・ニーズの変化

【連載(2)】オンライン座談会 生活編
 日経リサーチは全国で緊急事態宣言が解除された5月下旬~6月中旬、新型コロナウイルス流行の影響でテレワークとなったビジネスパーソンの公私にわたる変化を捉えるため、オンライン座談会を開いた。 初回の働き方編に続き、今回は生活面での変化をまとめた。通勤時間がなくなったことで外出機会が減り、在宅時間が長くなった。この結果、食事や消費スタイルだけでなく、他者との付き合い方でも変化が見られた。
実施概要
座談会イメージ
手法 オンライン座談会
対象者 テレワーク中のビジネスパーソン9名
若手層 20~30代独身男女 6名
中堅層 30~40代既婚男女 3名
実施時期 2020年5月27日~6月14日
調査対象地域 全国
企画・実施機関 日経リサーチ

 
今回は、多くの変化を指摘した若手層を中心に考察してみたい。

 外出自粛期間中の食事について、独身の若手は近くの飲食店でのテイクアウトを選んでいた。外食の贅沢な気分を味わえないことや、一人で食べることに孤独を感じるという声も聞かれた。コンビニ弁当の購入から、低糖質の冷凍宅配弁当に切り替えた参加者もいた。

 食事以外の消費活動にも動きがあった。趣味で通っていた店舗やイベント会場などに行かなくても、オンライン体験で満足するようになったとの声が聞かれた。身だしなみに使っていたお金を、インテリアや部屋着など、くつろぐためのものに振り向けるケースがあった。化粧品は買わなくなったが、美容院にお金を使うようになったという参加者もいた。マスクで顔は隠れても頭髪は隠すことができないからだ。

 他者との付き合い方については、一人暮らしをしている参加者の多くが、「さみしい」と話した。職場の付き合いで参加していた飲み会がなくなったことは嬉しい半面、在宅ワークで失った同期とのランチや、同僚との雑談を懐かしむ声があがった。そんな中、地元の友人とオンラインで飲み会を開いたことで、地域との距離を縮めた参加者もいた。

 若手はテレワークで新しい体験を積み上げ、自分らしい生活を見出すきっかけをつかみ始めている。買い物や趣味がオンラインに切り替わり、今までとは異なるものを消費する。一方、地元の友人とのオンライン飲み会など非対面でのコミュニケーションも取り入れている。ただ頻度が少なく、孤独感は残るようだ。若手層に限らず、今後はテレビ電話・WEB会議などがさらに広まり、もっと気軽に利用できる環境が必要かもしれない。

 家庭を持つ中堅層は、今回は家族構成の影響からか、消費行動に大きな変化は見られなかった。その中でも家族と過ごす時間が増えたことで、生活を充実させたり、家事を分担する姿が見られた。SNSでレシピを探し、スーパーで買い物し、家族で食事をする。コロナの影響が収まるまで、しばらくは家族との生活を充実させる商材への関心が高まりそうだ。
オンライン座談会で見えたテレワークによる変化・課題~実際の発言を抜粋~
  若手層 中堅層
買い物・
趣味・嗜好の変化
消費行動が変化
「綺麗な服を買わなくなり、リラックスウェアを買うようになった。マスクをするので口元メイクにかけるお金が減ったが、髪の毛にはお金をかけるようになった。高い美容院に変えてカラーもした」(メーカー・女性)
「服、スキンケア系にお金をかけていたが、すまいの環境改善のためインテリアなどにはお金をかけるようになった」(サービス・男性)

オンラインで満足するように
「休日は図書館や秋葉原に行っていたが、ネットで漫画や動画を見ることで問題ないことがわかった」(IT・男性)。

「お笑いが好きでライブを見に行っていたが、ネット動画で満足するようになった」(サービス・女性)
買い物頻度が減少
「買い物する頻度を減らした。自由にできる時間が増えた」(IT・男性)

行動する時間帯が変化
「スーパーに早い時間帯に行くと、食材が揃っていることがわかり良いなと思った」(エネルギー・男性)

買い物頻度・量が増加
「家での食事機会が増えたのでスーパーでの買い物が増えた」(金融・女性)

運動をするようになった
「運動不足となり、意識して運動するようになった」(IT・男性)
食事 宅配を利用するように
「低糖質の冷凍宅配弁当を利用するようになり続けている。いつもコンビニだったので、今のほうが満足」(サービス・男性)

テイクアウトは味気ない
「出社時は誰かとランチをしていた。誰かと食事をしたくなる」(サービス・女性)
「外食の贅沢感がなく味気ない」(サービス・女性)
「お腹が減らないので食べる量が減った」(メーカー・男性)

自炊している
「外食費が減り金銭的に満足」(メーカー・女性)
自炊が増えた
「昼食は会社近くのスーパーのおにぎりだったが、今は妻の手料理。おいしいため食べ過ぎてしまう」(IT・男性)

「会社では食堂を利用したが、今は前日の残り物を適当に食べている」(金融・女性)

献立はSNSから
「ごはんメニューをインスタで見たりする量が増えた」(金融・女性)

「妻がSNSやインスタを利⽤し、まとめ買いした⾷材の使い方を⼯夫するようになった。外出⾃粛で外⾷に⾏けなくても、⾃宅でひと⼿間加えた本格的なレシピやメニューなどをSNSで最近よく⾒かける」(エネルギー・男性)
他者との付き合い さみしさを感じた
「人と話すのが好きだったから、さみしさを感じた」(団体職員・男性、メーカー・女性)

面倒な飲み会はなくなった
「付き合いで行く飲み会がなくなったのはすごくうれしい」(メーカー・女性)

実家・地元の友人との連絡が増えた
「普段連絡していなかった友人とオンライン飲み会をしたら、意外によかった」(サービス・女性)
「親とテレビ電話するようになった」(メーカー・女性)

「実家で在宅勤務したので寂しくはなかったが、一人だったらかなり寂しいと思う」(団体職員・男性)
家事をするようになった
「家事に気が付くようになり、掃除をするようになった」(エネルギー・男性)
(オンライン定性プロジェクト 豊場拓)
 
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