SDGsの進捗度、日本は17位。SDGsへの貢献企業100社、日本勢6社ランクイン

【連載(8)】日経「SDGs経営」調査2019 分析と先進事例
日経SDGs日経リサーチは日本経済新聞社が2019年に初めて実施した「SDGs経営」調査の結果を独自に分析しました。「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」などテーマごとの日本企業全体の取り組み状況や、高評価企業の取り組み事例について紹介します。掲載は毎週木曜日、10回を予定しています。
今回はグローバルでのSDGsの状況と海外企業の取り組み事例をご紹介します。
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2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための17の目標から成り立っている。
 
持続可能な開発のための2030アジェンダ

国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」とドイツのベルテルスマン財団は、この目標に対する各国の達成状況を分析したレポート「SDG Index and Dashboards Report」の2020年度版を6月30日に発行した。レポートの評価は様々な国際評価報告書や論文などを基準としており、今年で5回目となる。国別の評価ランキングも掲載されており、上位20カ国は以下の通りだ。
順位 国名 順位 国名
1 スウェーデン 11 ベルギー
2 デンマーク 12 スロベニア
3 フィンランド 13 イギリス
4 フランス 14 アイルランド
5 ドイツ 15 スイス
6 ノルウェー 16 ニュージーランド
7 オーストリア 17 日本
8 チェコ 18 ベラルーシ
9 オランダ 19 クロアチア
10 エストニア 20 韓国
1位スウェーデン、2位デンマーク、3位フィンランドと北欧の国が続く。昨年と順位に入れ替わりはあったが、顔ぶれは同じだ。4位以降はヨーロッパ諸国が連なる。日本はアジア圏では最も高く17位だった。

SDGs17の目標の達成には、企業の積極的な取り組みにも注目したい。カナダのコーポレートナイツ社(Corporate Knights Inc.)はSDGsへ貢献している企業をランキングした「2020 Global 100」を今年1月に発行した。世界の様々な業界の大企業を対象に、持続可能性を「環境」「社会」「統制」といったESGの観点から評価し、上位100社を選出している。上位20社は以下の通りだ。
順位 会社名 業種
1 Orsted A/S デンマーク エネルギー
2 Chr. Hansen Holding A/S デンマーク 食品・化学
3 Neste Oyj フィンランド 石油精製
4 Cisco Systems Inc アメリカ 通信機器
5 Autodesk Inc アメリカ ソフトウェア
6 Novozymes A/S デンマーク 特殊化学
7 ING Groep NV オランダ 銀行
8 Enel SpA イタリア エネルギー
9 Banco do Brasil SA ブラジル 銀行
10 Algonquin Power & Utilities Corp カナダ 電気関連
11 Osram Licht AG ドイツ 電気機器・電力システム
12 Sekisui Chemical Co Ltd 日本 その他化成品
13 Storebrand ASA ノルウェー 保険
14 Umicore SA ベルギー 金属製品
15 Hewlett Packard Enterprise Co アメリカ コンピューターハードウェア
16 American Water アメリカ 水道関連
17 Iberdrola SA スペイン エネルギー
18 Outotec Oyj フィンランド 機械製造
19 CEMIG ブラジル 電気関連
20 Accenture PLC アイルランド 技術コンサルティングサービス
1位はデンマークの電力大手オーステッドで、政府が株の過半数を保有している。かつては石炭に依存していたが、脱石炭に向けて着実に取り組んでいる。石炭の使用量は2006年620万トン、2018年120万トン、2019年60万トンで2023年にはゼロになり、石炭から脱却する計画だ。石炭による発電をなくす一方で洋上風力を中心とした再生可能エネルギーを増やしており、2010年時点では200万人分の電力が再生可能エネルギーにより供給可能だった。それを2019年には1500万人分まで増やした。計画では2025年に3500万人分、2030年には5500万人分の電力を再生可能エネルギーでまかなえるようにする。

2位もデンマークの食品系バイオテクノロジー企業クリスチャン・ハンセン。収益の82%がSDGsへの貢献に使われているという。3つの目標を掲げており、1つ目は目標2の「飢餓をゼロに」。植物保護を適用する農場を2025年までに2500万ヘクタールに拡大する。現在は1040万ヘクタールまで広げた。2つ目は目標3の「全ての人に健康と福祉を」で、認定健康効果のある商品を2022年までに6種類投入する。現在までに4種類を投入した。3つ目は目標12「つくる責任、つかう責任」。これについてはヨーグルト廃棄物を2022年までに120万トン削減する。現在までに58万トンを削減した。

日本の企業で100社に入ったのは積水化学(12位)、武田薬品(68位)、コニカミノルタ(72位)、花王(86位)、パナソニック(89位)、トヨタ自動車(92位)の6社。企業数を国別で見ると、1位は15社の米国、2位は12社のカナダ、3位は9社のフランス。4位は日本とフィンランドの6社だった。国別の達成状況で1位のスウェーデンでは、H&Mが27位に入った。2030年までにすべての製品素材をリサイクルするか持続可能な素材にすることを掲げている。現在は製品素材の57%が達成されている。また、「ゼロウェイスト・ファッション」を掲げ、廃棄物を出さない服作りにも取り組んでいる。

上位企業はSDGsの17のゴールに対して明確な数値目標を定め、実践し成果を公表している。2019年度のSDGs経営調査において、目標年度と数値を明記した具体的なKPIとして公開している企業は50.7%、KPIの現状を踏まえた課題解決へ取り組んでいる企業は31.4%だった。各国の取り組みに後れを取らないためにも、効果的な政策と企業努力・情報開示が期待される。

「SDGs経営」推進プロジェクト 豊場拓


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次回のテーマは「従業員が主体的に行動する組織づくりの事例」です。
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