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あなたの会社の“ブランドライバル”はどこ?~独自分類法「NKR CBT」によるブランド戦略サーベイのデータ分析~

コロナ禍により企業活動は変化を迫られ、生活者の行動や意識の変化を捉える必要性が増しています。今回は最新版の「ブランド戦略サーベイ」の調査データを基に、当社独自のブランド分類法・日経リサーチ企業ブランド類型「NKR Corporate Brand Type」(NKR CBT)を用いて、生活者が経験から企業をどのように意識・認知しているかを捉え、企業の特徴を分析してみました。分析により類型化された企業の特徴を比較することで、自社と同じ事業領域の企業だけでなく、ブランドとしての競合も把握することができ、広くブランド戦略を考える起点として、ブランド戦略サーベイのデータを活用していただくことができます。

コラムはNKR CBTの分類ごとの特色や、企業の取り組み事例を解説します。掲載は全3回を予定しています。初回はNKR CBTについてご紹介します。

NKR CBTとは企業の持つブランドイメージ(および魅力点の一部)を4つに、企業から得られる「経験価値」を3つに分類し、それぞれを掛け合わせて作った12通りの企業ブランドの類型です。これによって、各企業が生活者の「イメージ×経験価値」から得られるブランドパーセプションの特徴がわかります。なお、経験価値とは「その企業の製品・サービスを使ったとしたらどういう気持ちになるか」を聞いたもので、実際の経験を通して得られた評価に加え、将来への期待価値の意味合いも含まれています。

まず、ブランドイメージと魅力点の主な項目を1.独創、2.信認・信頼品質、3.顧客対応、4.持続性の要素に分類しました。(表-1)

表-1 ブランドイメージ4分類

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(表に記載したのは代表的な一部の項目です)

次に経験価値の主な項目をA.感動価値、B.安全・安心価値、C.関係価値の要素に分類しました。(表-2)

表-2 経験価値3分類

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(表に記載したのは代表的な一部の項目です)

この2つを組み合わせて12通りのブランドタイプを規定し、各分類に名前をつけました。(表-3)

表-3 企業ブランド類型 12分類

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ブランド戦略サーベイで測定している全600社について12分類におけるスコアを算出し、最も高いスコアが出た分類をその企業の特徴として捉えました。
ブランド戦略サーベイ2020のデータで主要な企業をプロットしたのが下表です。(表4)

表-4 ブランド戦略サーベイ2020の600社データを用いた主要な企業のブランド類型

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今年の総合ランキングで1位のアップル ジャパンは「知識共創ブランド」に、同点1位のソニーは「関係継続ブランド」に分類されました。
アップル ジャパンのデータを見ると、「革新性」や「個性」、「創造力」、「時代の先端性」などが特徴的に出ており、他社の追随を許さない独自のポジションを確立しています。
ソニーは品質への「信頼」や「優れた技術・ノウハウ」、「視野や知識を拡げてくれる」が強く出ており、製品を基軸とした顧客との関係性が強みだとわかります。ソニーは2019年のデータ分析でも同様に「関係継続ブランド」のトップ企業として位置づけられています。

表を俯瞰すると、同業種が必ずしも同じ類型ではなく、生活者が普段抱いている企業のブランドへの意識の違いが見て取れます。
ぜひ貴社でも、パーセプション上でのブランド競合をウォッチしてみてください。自社や競合の類型や評価の内容をお知りになりたい方は、下記「問い合わせ」先までお気軽にご連絡ください。

また、NKR CBTについて、2020年10月6日のセミナーでもご紹介しましたので、もう少し詳しく知りたい方は下記URLよりセミナーアーカイブ動画をご覧ください。
ブランド調査で得られる気づきとは? 最新ウェビナーで好評を博した 講演の動画と資料公開

次回は「安心サスティナビリティブランド」に焦点をあて、そこに分類された企業について解説します。

(ブランドチーム ソリューション第3部 渡辺泰子)

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