「SDGs課題解決への貢献活動」を実践する人としない人の違いは?

【連載4】データから考えるSDGs経営の未来

日経リサーチは日経「SDGs経営」調査、全国市区「SDGs先進度調査」など、企業や自治体の取り組みを評価する様々な調査を実施しています。喫緊の課題になっている気候変動対策、カーボンゼロ達成の取り組み状況や先進事例、SDGs経営で得られるアウトカムを紹介します。掲載は6回を予定しています。
今回は、ビジネスパーソンが実践するSDGs貢献活動について紹介します。

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ここ数年、多くの企業がSDGs経営を急速に取り入れる中、推進担当部門の方々からは、「経営層と社員に温度差がある」「一般社員をうまく巻き込めない」など内部浸透への課題に関する悩みを聞くようになりました。
SDGs経営を成功させるためには、経営トップや推進部門だけでなく、従業者全員が「SDGsは自分たちの未来に繋がっている」と自分ゴトとしてとらえ、自発的に行動を起こすことが大切です。従業者は生活者でもあるため、プライベートの行動にも少なからず影響を及ぼします。
今回は、日経リサーチの自主調査からビジネスパーソンの職場やプライベートでのSDGs活動の実態を把握するとともに、行動のカギを探ります。

ビジネスパーソン5割がSDGs貢献活動を実践

2021年6月に実施した日経リサーチ自主調査でビジネスパーソンに実践しているSDGsへの具体的な貢献活動(以下、SDGs活動)を自由記述式で尋ねたところ、3割の人がプライベート・職場ともに活動ありと回答。「職場のみ」「プライベートのみ」と合わせると5割の人が実践していることがわかりました。

SDGs課題に貢献する活動への具体的な取り組み

SDGs課題に貢献する活動への具体的な取り組み

活動内容をキーワードで探ってみると、職場では、「ゴミ」「節電・省エネルギー」「リサイクル」が上位となり、環境ISOによるゴミ分別、社用車のハイブリット化など会社単位で仕組みが整備されている職場も多かったです。産休・育休支援や女性管理職の登用推進など「男女平等」も上位にあがりました。

プライベートではゴミに関するキーワードが圧倒的に多く、分別・リサイクルによる資源再利用、マイバッグ・マイボトルによるプラスチック製品削減や食品ロスなども上位となりました。「家族」というキーワードも多く『地域の子ども食堂への寄付を行っている。自分にも子供がいるので、身近に困っている子供がいるなら手助けになりたい』『グアテマラの子どもの里親支援。夫が途上国の子供達の支援に関心が高く、私もしてみようとおもいました』などSDGs課題が家族を接点にして「自分ゴト化」されたことで、活動が広がってる様子もうかがえました。

 
職場での活動 キーワード上位20

SDGs活動を実践している人の特徴は?

SDGs活動の実施状況を勤め先別でみてみると、「素材」「エネルギー」「自動車、電気機器」「機械、重機」など、脱炭素化への取り組みが喫緊の課題となっている製造やエネルギーに関連する業種に勤めている人の実施率が高い結果となりました。具体的な回答をみると『新たな施設整備をする際に、環境、防災、利便性などを含めた整備のコンサルをしており、自治体、建物オーナー、ゼネコンにSDGsと関連した提案をしている』『脱炭素に向けて燃焼暖房機器をヒートポンプ化するためにチームで事業計画を立てている』など仕事自体がSDGs貢献活動に直結しているケースが目立ちます。これらの業種の従業者の回答からは『毎週社内や社外の掃除活動を全員参加で行っている』『休み時間には照明を消す』などSDGs担当外の部門でも実践できる活動を行っており、職場のみならず、プライベートでの実践度も高い傾向にあり、SDGs課題に対する自分ゴト化が進んでいる様子がうかがえました。

 
SDGsの活動


一方で、半数のビジネスパーソンがSDGs活動をしていないと回答しています。実践していても『特にないが、ゴミの分別くらいはしている』『あたり前のことだが、節電を心掛けている』など控えめな回答も散見され、以前から行っていたあたり前の行動を「SDGs活動」という事に抵抗を持っている人が少なくないと感じました。「実践してる」と回答する人、しない人の違いは、「SDGsの自分ゴト化」ができているかどうかという意識の差が大きく影響していそうです。
では、意識に違いがあっても活動内容が一緒であれば問題はないかといえば、そうでもありません。リサイクル、ジェンダー、人権問題について、それぞれの取り組みに熱心な企業の商品・サービスの利用意向をきいたところ、SDGs活動を実施していると回答している人ほど、それらの企業の利用意向が高い結果になりました。SDGsの自分ゴト化が進めば職場での活動だけなく、生活者としての消費行動なども含めて様々な取り組みへとつながっていくことがわかります。
多くの企業が取り組むSDGs内部浸透のための情報発信や研修などは従業者の意識を「自分ゴト」化するところまでたどり着けるかが成功のカギとなりそうです。

 
グラフ
 
あなたご自身に関するアンケート(2021年6月3日 ~ 6月28日)
調査対象 全国16歳以上の一般男女個人
回答者数 16,126人(うちお勤めの人7,341人)
調査主体 日経リサーチ

「SDGs経営」推進プロジェクト 槙 純子

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SDGs調査活用サービスのご案内
日本経済新聞社と日経リサーチが実施している日経「SDGs経営」調査のデータを活用し、 SDGsを経営戦略の一環として推進したい企業をサポートします。
https://www.nikkei-r.co.jp/service/management/sdgs/

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