Case

CX向上のための研修に「金融オンライン接客サポート」プログラムを活用

株式会社三井住友銀行

「お客さま本位の業務運営」「CX向上」に取り組む三井住友銀行。ミステリーショッパー調査の結果から導き出された「金融オンライン接客に求められるスキル」、「お客さまが満足・納得するために重要となる要素」が、顧客視点の理解につながることに着目したそうです。同行の品質管理部CX品質向上グループ長である加藤正章氏と同部長代理の高林亜矢子氏にプログラム導入の狙いや意義をお聴きしました。

三井住友銀行のお二人

株式会社三井住友銀行
品質管理部CX品質向上グループ長
加藤 正章 氏(左)
品質管理部CX品質向上グループ部長代理
高林 亜矢子 氏(右)
※社名・部署・役職はインタビュー当時のものです

Q. CX(顧客体験)の向上に力を入れていますね。

加藤氏:弊行は2017年からCXの研究を始め、19年に「CS(顧客満足)からCX」へ取り組みを転換しました。CSが顕在化したニーズ・ウォンツに適切に対応することが求められるとすると、CXは潜在的なニーズ・ウォンツも把握し、新たな価値を創造、提案することが求められます。



 

品質管理部の主な役割の1つがCX向上のための施策の企画・運営です。今回、日経リサーチの金融オンライン接客サポートの研修プログラムを導入したのもCX向上が狙いです。 銀行では従来、お客さまとの接点は店頭での対面が中心でしたが、新型コロナ感染拡大でオンラインでの接客ニーズが高まっており、本研修プログラムで、オンライン接客におけるお客さまの潜在的なニーズを理解したいと考えました。

Q. 金融オンライン接客サポートの研修プログラムで評価している点は?

加藤氏:実際にオンライン接客を行っている間だけでなく、お客さまにアポイントを取るところから、接客後のフォローまで、時系列の顧客体験(カスタマージャーニー)に沿って、その時々の対応のポイントを解説しているところです。
また、ミステリーショッパー調査で得たお客さまの生の声を活用している点、良い接し方と悪い接し方の双方を示している点も参考になりました。良い点は見習い、悪い点はそうならないように努める等、多くの気づきに繋がりました。
最後に対応のポイントをチェック表の形でまとめているのもいいですね。受講者が自分の接客を振り返る際に活用できると感じました。

Q. 研修の参加者はどのような人たちですか

高林氏:今回の研修では、個人のお客さまへの顧客体験を取り上げているので、リテール担当者が主体ですが、ホールセール担当者を含めオンライン接客に関心がある様々な部署から参加がありました。年齢層も若手からベテランまで様々です。 研修当日はWebexでライブ配信しました。加えて、それを録画して後日、社内の研修システムに搭載し、いつでも視聴できるようにしました。

加藤氏:勤務形態が多様化していることもあり、ライブ配信を視聴できる従業員は限られるので、学習の機会を拡げる観点から、録画して公開するようにしています。いつでも視聴できることで、改めて内容を確認したいというニーズにも応えられていると思います。

Q. 参加者の感想をお聞かせください。

高林氏:ライブ配信を視聴した従業員に実施したアンケートを見ると、「接客の場面毎の留意点を体系的に理解することが出来、良かった」という感想が多く見受けられました。また、「日頃心がけていることが、お客さまの評価につながっていることが理解できた」という感想も寄せられています。 加藤氏:これまでの研修でも、オンラインでの接客方法について取り上げてきました。例えば、対面の接客と比べ、オンライン接客時には、動作は大きく、発言はゆっくりはっきりと行うことが大事だと説明しています。今回の研修でも、同じことがエッセンスとして示されていますが、加えて、前後の場面でどのように対応すべきかも解説頂いており、点が線につながった感じがしました。

加藤氏:これまでの研修でも、オンラインでの接客方法について取り上げてきました。例えば、対面の接客と比べ、オンライン接客時には、動作は大きく、発言はゆっくりはっきりと行うことが大事だと説明しています。今回の研修でも、同じことがエッセンスとして示されていますが、加えて、前後の場面でどのように対応すべきかも解説頂いており、点が線につながった感じがしました。

Q. オンラインでの接客にはメリットとデメリットがありますね。

加藤氏:オンライン接客は時間や場所の制約が少なく、機会を設けやすいのがメリットです。一方、お客さまの表情や遣り取りの間などから機微を感じ取ることが難しくなるデメリットもあります。また、集中してやりとりできる時間も、対面時より短くなるともいわれています。話の内容を工夫したり、短い時間で複数回行ったりするなど、オンライン接客の特性を踏まえて運用していく必要があると思います。

高林氏:オンライン接客によって、離れた家族とつながることも出来るようになりました。例えば、ご契約者だけではなく、そのご家族を交えて、三者面談による説明を行うことも増えてきています。

Q. 今後のオンライン接客の必要性や課題をお聞かせください。

加藤氏:オンライン接客を始めとした、デジタル化・リモート化の流れは、アフターコロナにおいても続く、不可逆的なものだと考えています。ただ、どんなにデジタル化が進展しても、接客や営業で人を介することは無くならず、寧ろ、デジタル化が進んでいるからこそ、ヒューマンタッチの重要性が従来よりも増しているものと思います。
外部環境の変化にあわせて、お客さまの意識・ニーズは常に変化しており、それらを捉えて、私たちもアプローチを変えていく必要があります。経営管理においては、計画して実行し、その結果を振り返って回していく「PDCAサイクル」が重要だとされてきました。しかし、最近は計画する(Plan)前に現状を観察し(See)、思考・分析すること(Think)の重要性が指摘されており、「STPDサイクル」を回すことが求められています。オンライン接客におけるお客さまの潜在的なニーズの把握は、このSとTにあたります。今回の研修プログラムの様な取り組みを積み重ね、CX向上につなげていきたいと思っています。
リサーチ会社は外部環境や消費者の意識の変化をいち早くキャッチできる立場にあると思います。「世の中がこう変化し始めているので、こんな対応が必要ではないか」といった情報はCX向上にむけて大変有用であり、今後のサポートも期待しています。

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