Case

日経リサーチの知見を活用し地域企業のSDGs経営を支援

株式会社北日本銀行

北日本銀行様では、取引先企業様のSDGs経営支援を目的としたサービスである「きたぎんSDGs経営サポート」を2021年10月から展開しています。このサービスは日経リサーチが開発協力を行っていますが、サービスをスタートした狙いなどについて、同行 営業統括部 法人営業グループ 事業コンサルティング室の皆さんにお話を伺いました。

1.北日本銀行(写真(日))

株式会社北日本銀行
営業統括部 法人営業グループ 事業コンサルティング室
副部長 村上 大輔 氏(中央)
調査役 篠村 直也 氏(左)
佐藤 弘滋 氏(右)
※社名・部署・役職はインタビュー当時のものです

SDGs経営を支援する「きたぎんSDGs経営サポート」

Q.はじめに法人営業グループ 事業コンサルティング室の業務概要をお聞かせください。

村上氏 コロナ禍の影響で業績が悪化している企業を支援するために、2021年4月1日に立ち上がったばかりの組織で、地域企業の本業支援や事業再構築支援などのコンサルティングメニューの開発、提供が主な業務内容です。

Q.コンサルティングメニューの1つである「きたぎんSDGs経営サポート」の概要をご説明ください。

佐藤氏 「きたぎんSDGs経営サポート」は、当行の取引先企業様に提供しているサービスです。「Basic」と「Progress」の2つに分かれていて、前者は、企業がSDGs経営全般に関する自社分析と目標設定を通じて「SDGs経営宣言書」を策定するものです。後者は、Basicを利用したお客様に向けに、事業活動に着目したサプライチェーン分析やロジックモデル分析を介して、SDGsへの貢献度を見える化し、より具体的な未来志向のビジョンを策定するものです。当行は、SDGs経営を実現するために有用なツールをお客様に提供しながら、成果物となる「SDGs経営宣言書」や未来志向のビジョンを表す「価値創造ストーリー」を策定するサポートを行いますが、ツールの開発は日経リサーチの協力があってはじめて実現できたと考えています。

Q.どのようなツールを開発したのでしょうか?

佐藤氏 Basicを例に説明すると、はじめにお客様にお渡しするSDGs経営診断チェックシートがあります。「SDGs戦略・推進」「環境保全」「従業員の働きがい」「地域社会への貢献」「コンプライアンス・ガバナンス」の5つの視点からSDGs経営全般の自社分析を行います。特徴は、59項目の質問に対して、経営のマテリアリティ(重要課題)の絞り込み、取組状況やその成果を回答いただき、SDGs経営に関連する優先課題を選定しやすいことにあります。そして、チェックシートの回答を元に、当行が現状分析を行いますが、その際に用いる分析ツールや、現状分析による診断結果シート、お客様が目標を設定する際の記載例を掲載した活用ガイド、「SDGs経営宣言書」のひな形も開発してもらいました。一連の情報を専用ツールに入力することで、簡易的に宣言書を策定できますので、策定作業に時間を取られることはなく、お客様とのコミュニケーションに時間を割ける仕様にしていただいたことにも満足しております。

Q.日経リサーチに開発協力を依頼した経緯についてお聞かせください。

篠村氏 銀行として、従来の貸出業務以外の新たな収益源となるサービス開発により、取引先企業様に魅力を感じていただける付加価値サービスを提供し、コンサルティング機能を強化することが課題でした。元々、地域の企業から「SDGsといっても何をすればよいかわからない」などのご相談をいただくことが増え、SDGs経営推進に対して、何かしらの支援を行う必要性を感じておりましたので、新たに立ち上がった事業コンサルティング室で、SDGs支援のコンサルティングメニューも展開することになりました。しかし、当行にはSDGsに関する知識、ノウハウが不足しているのは否めません。そこで「SDGsについて信頼できる情報を有していること」「SDGs支援を内製化できること」「競争優位性のあるサービス開発に協力してもらえること」を条件に協力先を探したところ、見つかったのが日経リサーチでした。また、日本経済新聞社のグループ企業ということで、中立的なイメージがあることも決め手になりました。実際、お客様の視点に立ったわかりやすいサービスであることが理解してもらいやすく、お客様も安心してご利用していただいています。日経ブランドのおかげで自信をもってご案内できていますね。

村上氏 3ヶ月ほどの開発期間中、日経リサーチには、こちらの要求にも真摯に応えていただき、高い水準のサービス品質を実現できたと思います。

持続的な地域社会の実現に貢献するために

Q.2021年10月にサービスを開始した「きたぎんSDGs経営サポート」の実感している成果を教えてください。

篠村氏 「きたぎんSDGs経営サポート」は、年間50件のご利用を目標にしていますが、2022年1月現在、月10件以上のペースでお申し込みをいただいており、想定を上回るスタートを切れたことに安心しております。問い合わせ件数も増えているので、見通しは明るいです。お客様からは「学生の関心が高いSDGsに関する現状や考えが整理できたことで採用活動に好影響が出ている」「経営陣だけではなく、社員と一緒にSDGsについて考えるきっかけになり、社内の意思統一が図れた」などの声をいただいています。SDGs経営推進は、企業規模にかかわらず、経営基盤を強固にするためには欠かせない取り組みの1つです。しかし、SDGsというと「収益とは直接関係ないのでは?」とか、「大手企業がやるものでは?」という声を耳にするのも事実です。そこで、今後「きたぎんSDGs経営サポート」による支援や「SDGs経営宣言書」を策定したお客様のフォローを継続的に行うことで、地域の経済活動の中でSDGsの考え方が浸透するような環境を構築していきたいと考えています。

佐藤氏 当行としては「きたぎんSDGs経営サポート」を通じて、従来は聞けなかった取引先企業様の考えを知ることができ、顧客理解が深まるというメリットを実感しています。金融庁による「企業アンケート調査」の結果では、企業はメインバンクに自社の理解を求めていることが明らかになりましたが、取引先企業様の満足度向上のためにも「きたぎんSDGs経営サポート」が果たす役割は大きいと考えています。

村上氏 「きたぎんSDGs経営サポート」の営業展開では、特に若手職員が積極的に仕掛けています。SDGsに対する理解も若手の方がはやく、このサービスを軸に取引先企業様の課題解決に向けた提案型営業を実践しています。若いうちから取引先企業様と経営に関する議論ができるよい機会になっているので、人材育成についても大きな武器を手に入れた印象がありますね。

実施背景

  • SDGs経営の推進に向けて課題に直面する企業の声に応えたい
  • コロナ禍で業績が悪化した企業の経営改善支援を進めたい
  • コンサルティングメニューの内製化を実現したい

課題

  • SDGs経営を推進したい企業の支援を行うにも、行内にSDGsに関する知見が不足している
  • 取引先企業に安心感をもって利用してもらうため、提供するサービスやツールには、中立性と公平性をもたせたい

成果

  • 日経リサーチの協力で開発したツールやメソッドを用いることで、サービス提供の内製化と競争優位性を実現
  • SDGs支援を通じて、取引先企業の理解が深まり、顧客満足度が向上するとともに、若手人材育成効果も実感

日経リサーチのSDGs経営推進プログラムとは

「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」の視点で構成する「日経SDGs経営調査」のフレームをベースとしたサービスです。調査は企業の目指すべき方向を示しています。日経リサーチのリサーチャーによる課題の深掘り、日経グループやパートナーとの連携により、SDGs経営を推進したい企業をサポートします。

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