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基幹統計

 基幹統計という用語は、統計法が2007(平成19)年に旧統計法から全部改正された際に定められた。旧統計法における指定統計がほぼ対応する。統計法の第二条(定義)の4では、「国勢統計」と「国民経済計算」に加えて「総務大臣が指定する統計」と基幹統計を定義している。大臣指定の3基準は「全国的な政策立案に特に重要」「民間の意思決定や研究活動で広く利用」「国際的要請・国際比較に特に重要」とされている。官民・内外の観点から特に重要で、行政機関が作成すべき基幹となる統計が、基幹統計である。
 また公的統計という用語も統計法で新しく定められ、これまで官庁統計、政府統計などといわれていた用語が公的統計に統一された。
 
 基幹統計とともに基幹統計調査という用語があるが、「統計」と「統計調査」は異なる概念として区別される。たとえばすべての人・世帯の全数調査として有名な「国勢調査」は基幹統計としては「国勢統計」という。すべての事業所・企業の全数調査である「経済センサス」も基幹統計調査だが、作成される基幹統計の名前は「経済構造統計」という。
 この区別は「統計」が作られる方法にも関係している。統計は調査して集めたデータから作成されるだけではない。行政記録から作成する業務統計として、たとえば貿易統計、犯罪統計、有効求人倍率などがある。調査や行政記録から直接作られる統計を一次統計という。複数の一次統計を組み合わせ、二次的、三次的に加工して作る統計は加工統計という。基幹統計のうち、「国勢統計」と並んで法定されている「国民経済計算」は加工統計の代表例である。

 公的統計の分野で「統計調査」という場合、「世論調査」「市場調査」「社会調査」など有権者、消費者、生活者の意見・意識の分布を調べる調査は含まれない。「統計調査」とは事実・実態を調べる調査とされている。ただし、この区別は曖昧で、統計調査の中にも意見・希望などの調査事項は存在するし、世論・市場・社会調査においても投票行動、消費実態、就業状況などの事実・実態の調査事項が含まれている。

 基幹統計調査には報告義務があり、調査拒否・虚偽報告が禁止されている。違反者には50万円以下の罰金が定められている。一方、調査対象者保護の観点から、いわゆる「かたり調査」を禁止しており、違反者だけでなく未遂者にも2年以下の懲役か100万円以下の罰金が定められている。この罰則は調査業務に従事する者が、業務上知り得た秘密を洩らした場合にも適用される。

 2019年1月現在、下表の56統計が指定されている。このうち、国勢調査と経済センサスだけが、個人・世帯・企業に関する全国規模の全数調査である。最大規模というだけでなく、他の標本調査を設計するための基本情報を提供する「統計調査の基となる統計調査」である。
 
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