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パス解析

 パス解析は共分散構造分析の下位モデルである。パス図でモデルを表現をすることからパス解析という名前がついており、社会学者(遺伝学者)のSwell Writeが使い始めたと言われている。1918年にはパス図が登場している。
 下図のように、パス図を並べると分かりやすい。(パス図では誤差変数を省略して描いてある)

 (1)単回帰分析は独立変数が1個のモデル。
 (2)重回帰分析は独立変数が複数のモデル。従属変数は1個である。
 (3)パス解析は従属変数が複数のモデルであり、重回帰分析の発展(上位)モデルだといえる。
 (4)共分散構造分析は、パス図との比較でいえば、観測変数だけでなく、潜在変数も伴うモデルである。別の言い方をすれば、潜在変数間のパス解析とみなすこともできる。下図では潜在変数間の単回帰モデルである。
 
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 重回帰分析は特定の従属変数の「予測」に関心がある場合に使うことが多い。パス解析は複数の従属変数があり、予測を目的とするというより、因果関係のメカニズムを明らかにしたい場合に使う。マーケティング分野では消費者行動モデルなどで利用された。ハワード=シェス・モデルなどである。

 刺激(S)と反応(R)のモデルに、人間・消費者(O)を介在させた、簡単なパス解析モデルを考えることができる。
S → O → R

 広告出稿という刺激(S)に対して、購買行動という反応(R)が生じる。その中間には消費者の心理的な変容が発生していると仮定する。この部分は消費者調査を実施しなければデータを得ることができないので、市場調査データによってパス解析モデルで検証することが考えられる。「広告を出せば売れる」ということだけでなく、消費者に何を訴求するか、あるいは想定した効果があったのかを知ることは、永続的な戦略に重要な情報となるだろう。

 パス解析では、複雑なモデルでも、パス図を使うので直観的に扱いやすい。しかし、複雑であることは確かであり、変数が増えると因果関係を考察する難しさに直面する。
 また、自由に変数間の関係を描けるので、どんどん複雑な関係をモデル化したくなる。そこで、統計的にモデルがデータと適合しているかを検証することが求められる。パスも自由にひけるので、そのパスが有意に0より大きいのかを検定する。これは回帰分析と同じである。
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