インドが過去最高タイの92 ロシアは景気底打ち?ブラジルは現在・3ヵ月後とも最低水準
日経リサーチが2015年10月に実施した第10回「世界暮らし向きDI」調査の結果がまとまりました。
この調査は米国、英国、中国、インド、マレーシア、タイ、ブラジル、ロシアの8カ国に、2014年4月調査から日本、2015年4月調査からベトナムを加えた計10カ国に住む20~59歳の男女各国約200人ずつにインターネットを通じて生活実感を尋ねるもので、現在と3カ月後の暮らし向きを聞き、「暮らし向きがよい(よくなる)」と回答した割合から、「悪い(悪くなる)」と回答した割合を引いた数値が「暮らし向きDI(指数)」となります。
調査は2013年7月から3カ月に1回実施しており、今回が第10回になります。結果は短信スタイルにまとめてお客様にご提供しています。
現在の暮らし向きDIは、9月に今年4回目の利下げを実施したインドが92と、第6回調査(14年10月)と並ぶ過去最高を記録しました。原油安で物価が安定し、都市部では高額商品などの消費が好調です。ただし、3ヵ月後の暮らし向きDIは68と、第1回調査(13年7月)の65以来となる低水準となりました。一方、原油安の“悪影響”や欧米による経済制裁などで景気が低迷するロシアの現在DIは40と低水準が続いていますが、前回(15年8月)からは10ポイントの上昇となりました。3ヵ月後DIも36で、景気は底を打ったとの見方が出ているのかもしれません。また、今年に入ってGDPが2四半期連続でマイナスとなり、景気後退局面に入ったブラジルは70で、同国としては前回の69に次ぐ低水準。雇用悪化やインフレで消費が低迷しており、6年ぶりのマイナス成長転落は不可避の情勢とあって、3ヵ月後DIは80と楽観的な同国としては過去最低となりました。景気が緩やかに拡大しているとされる米国も、現在DIは第1回と並ぶ過去最低の54。ただ、雇用統計など足元の経済指標が予想を下回っているものの、3ヵ月後DIは従来通りの水準を維持しています。
3ヵ月後DIでは、投資や生産の低迷で6年半ぶりにGDP成長率が7%を割り込み、景気減速が世界経済全体の懸念材料となっている中国が、第1回の56を別にすれば過去最低の80となりました。一方、民間投資の活発化などで世界銀行やアジア開発銀行からも経済の拡大が続くと期待されるベトナムは、まだ今回が3回目の調査ですが、82と過去最高となりました。
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