景気減速懸念の中国が9ポイント上昇 ベトナムは3ヵ月後DIが大幅アップ
株式会社日経リサーチがアジアを中心とした世界各国の生活実態を探る「世界暮らし向きDI」調査の最新結果(2015年8月実施)がまとまりました。
この調査は米国、英国、中国、インド、マレーシア、タイ、ブラジル、ロシアの8カ国に、2014年4月調査から日本、2015年4月調査からベトナムを加えた計10カ国に住む20~59歳の男女各国約200人ずつにインターネットを通じて生活実感を尋ねるもので、現在と3カ月後の暮らし向きを聞き、「暮らし向きがよい(よくなる)」と回答した割合から、「悪い(悪くなる)」と回答した割合を引いた数値が「暮らし向きDI(指数)」となります。
調査は2013年7月から3カ月に1回実施しており、今回が第9回になります。結果は短信スタイルにまとめてお客様にご提供しています。
今回15年8月の調査で、現在の暮らし向きDIは景気減速の懸念が出ている中国が前回(15年4月実施)から9ポイント上昇して86となったほか、英国も6ポイントアップの61と持ち直しましたが、前回から調査対象国に加わったベトナムは6ポイント低下して44となりました。今回はベトナムのほか、ブラジル、マレーシアが過去最低を更新しました。日本は17と、依然低水準ににとどまっていますが、前回に比べると10ポイントの大幅上昇でした。
人民元の切り下げや株式相場の大幅下落など懸念材料が目立つ中国ですが、訪日観光客の勢いに大きな陰りが見られないことなどを考えると、一般市民は日常生活で景気不安をそれほど実感していないのかもしれません。先行きには不透明感が漂うが、3ヵ月後の暮らし向きDIも92と高水準を維持しています。英国は5月の総選挙後、景気回復傾向にあることを反映したと言えそうです。2四半期連続のマイナス成長で景気が後退局面に入ったロシアは前回の3カ月後DIが60でしたが、4ヵ月経った今回の現在DIは30にとどまりました。
今回の3ヵ月後DIは消費主導による景気拡大が見込まれるベトナムが現在のDIより24ポイント高い68、ブラジルが13ポイント高い82だったのに対し、4月に6%の消費税を導入したマレーシアは先行きの不透明感からか現在DIより19ポイント低い45となり、インドと英国もそれぞれ現在DIを10ポイント以上下回りました。
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