株式会社日経リサーチ

顧客データ分析「ミルフィーユ」活用事例

データマッチングで高CVRを実現したソニー銀行の取り組みとは?

 

ソニー銀行では、2013年より第三者データを活用したマーケティング・アナリティクスに取り組んでいる。プロジェクト開始から約2年を経て、実を結び始めているというこの取り組みについて、同社営業統括部長の髙木文隆氏に話を伺った。

ソニー銀行株式会社
営業統括部長
髙木文隆氏

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すべては顧客理解のために?ターゲット毎のペルソナを作成

―御社では、2013年から日経リサーチが提供する「シングルソースデータベース(SSDB)」を活用したマーケティング・アナリティクスに取り組んでいるが、その目的は?

髙木氏 弊社は開業以来、順調に成長を続けてきましたが、ここ数年、かつてに比べると成長率が鈍化しています。その要因にはネットバンク市場に競合が相次いで参入したことで、これまで築いてきたポジションが独自のものではなくなっていることなどが挙げられます。この状況を打破するために、お客様に新しい価値を提供しエンゲージメントを高める必要があると考え、データ・アナリティクスを活用して顧客を理解する取り組みをスタートさせました。

―具体的に何を行ったのか?

髙木氏 まず約20万人のライフスタイルや価値観、消費行動などを網羅したSSDBと自社で保有する顧客データを日経リサーチの顧客データ拡張分析支援サービス「ミルフィーユ」で融合しました。既存顧客一人ひとりについて、共通の属性を持つSSDB上のサンプルデータをマッチングさせることで、顧客データに不足していたサイコグラフィック属性を補完。これで顧客の全体像を明らかにしたのです。さらにSSDBのサンプルをセグメント分けし、ペルソナを作成しました。

―それをどのように活用しているのか?

髙木氏 私たちが目指しているマーケティングは、商品開発からアクイジション、リテンションまでのプロセスを一本でつなぐこと。例えば、Aさんという顧客に対して仮説があるなら、Aさんが「本当に仮説通りに動いたのか」という検証や「実際はどう動いたのか」という行動までをデジタルでつないで把握していきたい。そして、今秋、はじめてこの取り組みを生かして開発された商品を発表することができました。それが来年1月4日から提供予定のVisaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」。世界中のVisa加盟店約3,600万店舗で買い物ができ、海外ATMから現地通貨が引き出せるカードですが、今回のプロジェクトで作成したペルソナを元に「お客様がどのような商品を望んでいるか?」を基点に開発した商品です。これまでは、革新的な金融商品を作るというプロダクトアウト的な発想が強かったのですが、お客様のインサイトを理解したマーケットインの発想で商品開発ができたと自負しています。
日経ID を利用した個別ターゲティング広告の実施

 

*日経電子版の会員を主要ターゲットごとにセグメントし、バナーやランディングページのクリエイティブを変更。その結果、ノンターゲットに比べ、全ての戦略ターゲット層で高いCTR・CVRを記録した。

セグメント情報を日経ID(*注)に融合しOne to One配信を実現

―「ミルフィーユ」を広告施策にも活用したというが?

髙木氏 2011年度から毎年、冬のボーナス時期に、日経電子版読者に対して「口座を開設したら1,500円をプレゼントする」というキャンペーンを行ってきました。そして、2014年度のキャンペーンをプランニングしていた際に「ミルフィーユ」を介して、先にお話したセグメント情報と「日経ID」を紐付けられることが分かったのです。そこでデータの紐付けを行い、日経電子版の会員をセグメンテーションし、A層、B層、C層の3つの主要ターゲットごとに、設計したマーケティングストーリーに基づいて、バナーのデザインやコピーを変えたり、ランディングページを分けたりするなど、異なるコミュニケーションによる広告配信を行いました。

―その成果は?

髙木氏 高所得者層を中心に構成されるA層は、戦略ターゲットではない層と比べてクリック率は2倍。コンバージョン率も非常に高いという結果になりました。口座開設のシェアはA層、B層、C層の合計で全体の60%を占めましたが、この施策によって、ターゲットとするお客様を効率良く獲得できることが明らかになりました。また、当初はファミリー層が中心のC層はそれほど動かないだろうと想定していたのですが、今回意外と動きがよかったのはうれしい誤算でしたね。この層はボリュームが大きいので、今後、アプローチの仕方を検討する余地がありそうです。

―今回の取り組み、今後どう生かしていきたいか?

髙木氏 現在、ちょうど5回目のキャンペーンをプランニングしているところですが、日経IDを持っていないオーディエンスに対し、セグメント情報と紐付いている人に似ていたら同じコミュニケーションを行う予定です。2014年度は、効率のよい集客はできましたが、トライアルとして検証しながらの取り組みだったので、全体のボリュームは少なめでした。しかし、今年度はその課題を改善できると期待しているところです。
プロジェクト成功の鍵は理念、目的を見失わないこと

―「ミルフィーユ」のデータマッチングについては、どのように評価しているか?

髙木氏 非常に満足しています。顧客データだけでは見えなかったものが見えるようになっただけでなく、「ミルフィーユ」で融合できるSSDBのデータが思った通りの粒度に切って利用できるのも大きなメリットだと考えています。

―プロジェクトで苦労した点は?

髙木氏 ペルソナを作ってそれに対して開発を行うということへの、内部的な理解を得ることに一番苦労しました。その点は未だに課題が残っていますが、これから結果が出てくればきちんと説明できるようになるので、理解は進んでいくと思います。また、プロジェクトを進めるにあたっては、取り組みの定義がブレないようにすることを心がけました。マーケティング・アナリティクスということで、データ分析が作業の中心になりますが、「目的は“顧客インサイトの理解を深め、ターゲットとするお客様に対して最適なコミュニケーションを図る”こと。それが“ロイヤルティの高いお客様を増やし、効率的な収益構造につながる”ということ」をとにかく丁寧に説明しました。そこを忘れてしまうと、データを扱うことが目的になってしまいがちで、データを扱う作業への理解も得られない。それでは成果につながりにくいですよね。

―今後、「ミルフィーユ」で実現していきたいことは?

髙木氏 まずは、先にお話した通り、商品開発からリテンションまで、顧客理解を軸とした取り組みを最後まで行うことです。今回、ようやく1つの商品が出て、販売することができますが、社内では「ここからが本番」だと言っています。顧客のロイヤル化までにはまだまだ時間がかかりますが、その中で仮説、検証を本格的に行っていくことになります。当然、自分たちの仮説を修正することもあるでしょう。この2、3年の内に、そこをひと周り回しておきたいと考えています。

<*注>日経電子版会員の登録情報

※こちらの内容は「日経デジタルマーケティング」2015年12月号に広告掲載されたものです。

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