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若手層中心に情報源広がる、ネットは”話半分”で利用

 日経リサーチは全国で緊急事態宣言が解除された5月下旬~6月中旬、新型コロナウイルス流行の影響でテレワークとなったビジネスパーソンの公私にわたる変化を捉えるため、オンライン座談会を開いた。  第2回の生活編に続き、最終回は情報収集における変化をまとめた。在宅時間の増加は、テレビ、ネット、新聞など各メディアの価値を自分なりに見直す機会になっているようだ。

実施概要

C7300_zoom
手法 オンライン座談会
対象者 テレワーク中のビジネスパーソン9名
若手層 20~30代独身男女 6名
中堅層 30~40代既婚男女 3名
実施時期 2020年5月27日~6月14日
調査対象地域 全国
企画・実施機関 日経リサーチ

 

外出自粛の影響で参加者の多くはスマホを操作している時間が増え、とりわけインターネットからの情報収集時間が長くなっている。ネットニュースでよく閲覧しているのはYahoo!とGoogle。それ以外の情報源としてはTwitterの存在感が大きかった。話題のニュースはネットニュースだけでなく、Twitterや新聞記事などからも収集して理解を深めている。
 専門的な話はYoutubeから探すという参加者もいた。女性にはInstagramを広告としてみたり、料理情報として活用したりしているとの声もあった。
 今回の参加者のインターネットリテラシーは高かった。ネットニュースなどの情報は話半分ととらえ、ブログやTwitterなどのSNSでのコメントやシェア数を確認する。他の人の意見を参照しながら、自分の感覚と照らし合わせ、情報を選別しているようだ。

 今回の参加者のうち若手層の2名はテレビを保有していなかった。テレビ保有者はテレワークによってテレビを見る時間が増えた人と逆に見る時間が少なくなった人に分かれた。総じて情報源としての評価はあまりよくないようだ。ワイドショーのコメンテーターの発言が極端なことや、報道内容と実体験との乖離があることで信頼度がなくなったことを理由に挙げた。他の番組を見ても、情報の内容が似ていて、新しい情報が得にくいなどの不満の声があがる。

 一方、新聞記事についてはよく読むようになったとの声があった。SNSの個人の意見より、記者が事実を調べた情報なので、情報の内容を信頼できるとのこと。新聞社のニュース記事を軸に、記事のコメントから賛否両方の意見を読んでいるという若手層もいた。

 若手層を中心に、SNSや一般の方から意見を集めることが、一般的な情報収集として定着しつつある。しかし、報道の賛否を鵜呑みにせず、SNSや記事へのコメント、シェア数や自らの感覚などで自分なりに咀嚼している姿が見られた。

 

オンライン座談会で見えたテレワークによる変化・課題~実際の発言を抜粋~

  若手層 中堅層
可処分時間について スマホ・ネット時間が増加
「無駄な外出が減り、動画、マンガ、睡眠の時間が増えた」(メーカー・男性)
「もともと見ていたYoutubeの自己啓発系の動画を見る時間が増えた」(団体職員・男性)
「スマホを触っている時間が増えたことで、情報収集欲が高まった」(サービス・女性)

「情報に取り残されないように、という意識が強くなった」(サービス・女性)
スマホを触る時間が増えた
「スマホをいじる時間が増えたのでTwitterは増えたが、話半分に受け止めている」(エネルギー・男性)
利用メディアの変化 テレビを見るようになった。
「ワイドショーやコロナに関係ないニュースを見るようになった。コメンテーターが好き勝手に言っているのは不快。話半分に聞いている」(メーカー・男性)

ネットニュースが中心
「ヤフーニュースやGoogleニュースを中心に見ている。詳しく知りたいときはTwitterやブログ。公のニュースと個人発信を組み合わせている」(団体職員・男性)

テレビを見なくなった
「テレビを見なくなった。フェイクニュースやテレビから流れる街の混雑情報が実際とは異なっていたので、信頼度が下がった」(メーカー・女性)

「Youtubeで専門家の動画を見ている」(サービス・男性)

新聞を見るようになった
「日経電子版を購読していたが、時間がなくてずっと読めていなかった。最近は読めるようになった」(メーカー・女性)
テレビを見るようになった
「通勤時間がなくなった分、テレビを見るようになったが、真新しい情報がでてくることはない」(IT・男性)

「報道を見る時間が長くなったが、繰り返しが多いので入ってくる情報は増えていない」(エネルギー・男性)

SNS
「SNSは広告的に見ている。Instagramからの情報収集が増えた」(金融・女性)
情報の信頼性 ネットニュースは参考程度
「ヤフーニュースは話半分に読んで、コメントも話半分に見ている」(全員)

SNSのシェア・コメント数が信憑性の尺度
「Twitterのトレンドをよく見ている」(サービス・女性)
「Twitterはシェアの数を参考にしている。公的な情報ではないからこそ、完全に信じることはしない」(団体職員・男性)

新聞記事が中心
「SNSでの見知らぬ人の意見より、新聞社のニュース記事を見る。記事のリプライで、肯定・反対両方の意見を見ている」(サービス・女性)
内容によっては信じる
「信じて損にならいものは鵜吞みにするが、間違っていた時、悪影響になるものは話半分にしている」(IT・男性)

SNSは他の情報と合わせて
「Twitterは怪しげな情報もあるが自分の常識に照らし合わせて判断。情報ソースは意識していない」(エネルギー・男性)

「一般の人が話しているものは参考情報ととらえている」(IT・男性)

新聞は信頼
「新聞は事実を調べて記事にされているので安心」(金融・女性)

(オンライン定性プロジェクト 豊場拓)

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