株式会社日経リサーチ
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間隔尺度

調査における重要な概念は測定である。寸法・重量・温度などの物理量を測定するのと同じように、購入意向・満足感・製品評価・選好などの「気持ち」を測定する方法(態度測定・心理測定)は調査にとって必須の技術である。定量調査(量的調査)だけでなく、定性調査(質的調査)においても測定があり、測定方法は多様である。
調査における測定は社会学や心理学の方法が応用されているが、間隔尺度は米国心理学者のStanley Smith Stevens (1906-1973)が1946年にScienceに掲載した論文("On the Theory of Scales of Measurement")で示した4つの尺度水準に由来する。

 1. 名義尺度(nominal scale)
 2. 順序尺度(ordinal scale)
 3. 間隔尺度(interval scale)
 4. 比例尺度(ratio scale)
 

<名義尺度>
文字通り名前であり、その機能は区別・識別である。性別を男はM・女をFで標識する例が典型的だが、男1・女2を与えても、男0・女1の数値を付与しても機能は同じである。企業をA社、B社のように記号で示しても、法人番号のような数字を与えても識別機能に過ぎない。数値を付与した場合でも大小関係や比例関係はない。可能な(許容される)演算は「男性の人数」あるいは「発言録のキーワード出現数」のような計数(度数カウント)だけである。統計量としては最頻値を得ることができる。

<順序尺度>
企業格付の「AAA、AA、~」、負傷者の「軽傷、重傷、重体」、地震の震度など大小関係を表現する。順位の数値を付与しても、1位と2位の差は、2位と3位の差と同じとは限らず、僅差も圧勝も順位は同じで間隔に意味はない。単調変換をしても大小関係の情報は変化しない。統計量(代表値)としては平均値よりも中央値が適切である。順位相関係数などの順序統計量を算出することができる。

<間隔尺度>
値の順序に意味があり、さらに値の間隔が「等間隔」である尺度。気温「15度と20度」の差(5度)と、「20度と25度」の差(5度)は「等しい」変化量であり、両者の差を加算すると、15度25度の差(10度)に等しい。しかし「40度は20の2倍だけ暑い」という比例的な意味はなく、間隔に情報がある。可能な(許容される)演算は加法(和)と減法(差)で、乗法・除法は使えない。統計量としては平均値(算術平均)を求めることができる。また、一次変換(Y=aX+b)が可能である。温度(摂氏[C]と華氏[F])は間隔尺度の例だが、F=9/5C+32という変換ができる。間隔尺度は順序尺度より情報が多い。企業の売上高から順位を作成できるが、逆に順位から売上高は再生できない。

<比例尺度>
順序、等間隔という性質を持つ間隔尺度のうち、原点0が絶対的・自然数な意味で「無」という意味を持つ尺度。時間、密度、音量、身長、体重、年齢、製品シェア、収入額(売上高、年収)、個数(販売数、来場者数)、絶対温度などである。たとえば、年収なら0円もあり得る。年収400万円の人は200万円の人の2倍であり、800万円の人は400万円の人の2倍の年収がある。そして800万円の人と200万円の人とは2倍×2倍=4倍の比例関係が計算可能である。
比例尺度の多くは物理的・生理的測度であり、人間の態度・意識など心理的測度で比例尺度を得られる例は少ない。可能な(許容される)演算は加減乗除の四則演算に及び、比例変換( Y=aX )が可能で、1mと100cmのように単位の相互変換ができる。統計量として算術平均だけでなく、幾何平均や調和平均も算出可能である。

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