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Z世代はどちらを選ぶ? ―アジアのスマートフォン・GLOBAL BRAND SURVEY 2026にみる世代間の違い

記事の概要

日経リサーチの「GLOBAL BRAND SURVEY 2026」におけるアジア8カ国・地域の調査結果から、AppleとSAMSUNGのブランド支持の世代間ギャップに着目。 

中国や台湾では20代を中心とした若年層でAppleが優位に立っている。一方、タイやインドネシアなどその他6カ国・地域では、長年根強い浸透力を誇るSAMSUNGが特に40〜50代の中・高年層で圧倒的な支持を集めている。 

こうした世代差の背景にはブランドとの接点に違いがある。SAMSUNGがテレビCMなどマス広告で幅広い世代に強いのに対し、Appleは若年層ほどSNSや口コミを通じた接触率が高い。グローバルマーケティングにおける年代別アプローチの重要性を示す結果となった。 

 

日経リサーチでは、中国、ドイツ、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、アメリカ、ベトナムの海外10カ国・地域を対象に、企業のブランド価値を継続的に調査しています。

2024年の調査開始から、今回で3回目となる「GLOBAL BRAND SURVEY 2026」では、サービスのリリースに合わせて、日本企業の海外拠点が多いアジア8カ国・地域(中国、台湾、タイ、インド、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン)に絞ったブランド価値ランキングを公表しました。1位は3年連続で韓国企業の「SAMSUNG」、2位には昨年4位から浮上した米国企業の「Apple」が入りました。

もっとも、国・地域単位のランキングだけでは見えてこない動きもあります。回答者を年代別に分析すると、世代による違いが浮かび上がります。今回は、スマートフォンを含む製品・サービスで世界的な競合関係にある「Apple」と「SAMSUNG」を例に、この"世代の違い"を見ていきます。 

中国・台湾は「若者のApple」

現在の利用状況(「よく購入・利用している」、または「たまに購入・利用している」と回答した割合)を年代別に見ると、中国は20代から50代まで全世代でAppleがSAMSUNGを上回ります。

特に20代ではAppleが76.3%、SAMSUNGが53.3%と23ポイントもの差がつき、若年層ほどAppleへの支持が厚いことが分かります。台湾も20代・30代はAppleが優位ですが、40代・50代になるとSAMSUNGが逆転します。同じ市場の中でも、世代によってブランドの"勢力図"が異なる点が興味深いところです。

 

図1_中国年代別の現在利用率(ApplevsSAMSUNG)

図1表_中国年代別の現在利用率(Apple vs SAMSUNG)



図2_台湾年代別の現在利用率(ApplevsSAMSUNG)
図2表_台湾年代別の現在利用率(Apple vs SAMSUNG)

 

その他6カ国・地域は「中・高年層のSAMSUNG」

一方、タイ・インド・ベトナム・インドネシア・マレーシア・フィリピンの6カ国・地域では、ほぼ全世代でSAMSUNGが優位に立っています。しかも年代が上がるほどその差は拡大する傾向です。6カ国・地域平均で見ると、20代の差は5ポイント未満にとどまる一方、40代・50代では30ポイント近くにまで広がります。

新興国市場では、SAMSUNGが長年かけて築いてきた中高年層への浸透力が、大きな強みになっていることがうかがえます。

図3_その他6カ国・地域平均年代別の現在利用率(ApplevsSAMSUNG)

図3表_タイ・インド・ベトナム・インドネシア・マレーシア・フィリピン平均年代別の現在利用率(Apple vs SAMSUNG)

 

なぜ若者はAppleを選ぶのか―コンタクトポイントのデータが示すヒント

この世代差の背景の一つには、ブランドとの"出会い方"の違いもありそうです。

調査では、この1年間にブランドをどのような経路で見聞きしたかも聴取しています。テレビCMでの接触率を8カ国・地域平均で見ると、SAMSUNGが全世代でAppleを7〜9ポイント上回ります。従来型のマス広告における強さは、年代を問わないSAMSUNGの一貫した特徴と言えそうです。

図4_テレビCMでの接触率(年代別、アジア8カ国・地域平均)

 

 

対照的に、SNS・ネット記事・口コミといった「口コミ・SNS系」の接点では、全世代でAppleがSAMSUNGを上回り、しかもその差は20代で最大となります。Appleのブランド力は、同世代内のSNSや口コミを通じた情報伝播に支えられている可能性が高く、これが中国・台湾の若年層における優位につながっているとも考えられます。

 

図5_口コミ・SNS系接点の平均接触率(年代別、アジア8カ国・地域平均)

図5表_口コミ・SNS系接点(メルマガ・SNSネット記事・ブログ・SNS口コミの平均)の接触率(年代別、アジア8カ国・地域平均)

 

 

まとめ

ブランドの強さは、もはや国・地域単位の一枚岩では語れません。世代によって支持されるブランドが異なり、その接し方(コンタクトポイント)も違う――。今回のデータは、グローバル企業がマーケティング戦略を練るうえで、年代別のアプローチの重要性を改めて示しています。

GLOBAL BRAND SURVEY 2026
世界10カ国・地域のブランド価値を定点観測、客観的に可視化
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