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ブランド戦略サーベイ1000 連載「上位になる会社は何が違うのか」導入編
なぜ、あの会社は選ばれるのか?
1000社ランキングでわかった、選ばれる企業の3つの特徴

記事の概要

「他社は何をしているのか」「ブランド力が高いのは、どんな企業なのか」。 企業ブランドへの関心が高まるなかで、こうした問いを受けることが増えた。

 

日経リサーチの「ブランド戦略サーベイ1000」の1000社ランキングから、 選ばれる企業に共通する3つの特徴を見ていく。自社の位置と、比べるべき相手を考える手がかりにしたい。

この記事で使う指標
  • 総合スコア・総合順位:ブランド戦略サーベイの公式の総合評価。コンシューマー編とビジネスパーソン編のブランド力・ブランド貢献をそれぞれ半々に合わせ、掛け合わせて算出する。この記事の順位はすべてこの総合順位
  • ブランド力:ブランドの浸透度を表す指標。その会社の認知度の高さと、エンゲージメントの強さから算出する(エンゲージメントは、コンシューマー編では独自性・愛着度・推奨度・企業への支持、ビジネスパーソン編では先進性・信頼度・推奨度・企業への支持)
  • ブランド貢献:商品・サービスの購買や利用に、ブランドがどれだけ貢献しているかを表す指標。品質・価格・利便性・デザイン・評判などの魅力点と、購買や利用でのその要因の重要度を組み合わせて算出する
  • 認知度(「知っている」):その会社を知っている人の割合(「企業名だけ知っている」を含む)。母数は回答者全員。本文の値はコンシューマー編
  • 独自性・信頼度・先進性:「どの程度独自性(先進性)があると思いますか」「どの程度信頼していますか」を0〜5の6段階で聞き、4点か5点をつけた人の割合。母数はその会社を知っている人。この記事ではコンシューマー編の値

1.ブランドと聞いて、何を思い浮かべるか

 ブランドと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。ロゴや広告、高級感、あるいは長い歴史かもしれない。企業ブランドを資産として捉え、経営の言葉で語ろうとする動きは広がっている。そのなかで「他社は何をしているのか」「ブランド力が高いのは、どんな企業なのか」と問われることも多い。

 ブランドづくりには、無数のやり方がある。人が十人十色であるように、企業も100社あれば100社が違い、同じ会社は一つとしてない。ただ、その違いが生活者やビジネスパーソンに伝わっているとは限らない。自分たちでは違う会社だと分かっていても、外からは「どんな会社なのか」が見えていないことがある。

 選ばれる企業とは、顔が見えている企業ではないか。何をしている会社で、どこが秀でているのか。それが伝わっていることである。「ブランド戦略サーベイ1000」の1000社のデータを見ると、選ばれる企業には次の3つの特徴があった。

・評価のされ方は1社ずつ違う。上位10社にも、毎日手に取る商品の会社と、そうでない会社が並ぶ

・選ばれているのはBtoCの会社だけではない。BtoBの会社も上位に入っている

・知られている範囲が限定的でも、知っている人に「ほかとは違う」と伝わっている会社がある

2.評価のされ方は「1社ずつ」違う

 ランキング上位10社は、トヨタ自動車、任天堂、ユニクロ、カルビー、キユーピー、日清食品、アップル、味の素、ソニーグループ、良品計画である。1位のトヨタ自動車は2位に537ポイントの差をつけている一方、4位から6位は11ポイント差の中に3社が並ぶ。

 10社のうち4社は食品会社で、小売の2社を加えると、6社が日常的に手に取る商品やお店の会社になる。一方で、1位のトヨタ自動車、2位の任天堂、7位のアップル、9位のソニーグループは、毎日買うものを売っている会社ではない。評価のされ方は異なるが、同じく上位に位置している。

 この総合スコアは、「ブランド力」と「ブランド貢献」を掛け合わせて算出している。足し算ではないので、片方が極端に低いと、もう片方が高くても総合スコアは伸びにくい。

 なお、この順位は、生活者とビジネスパーソンの評価を半々に合わせた総合順位である。生活者の評価だけで順位をつけると1位はユニクロ、ビジネスパーソンの評価だけでは1位はトヨタ自動車で、上位10社のうち重なるのは5社にとどまる。見る人が変わると、選ばれる会社の顔ぶれも変わる。

記事00_導入編_図1

 

 

3.選ばれているのは「BtoCの会社」だけではない

 上位10社には生活者に身近な会社が多い。だが、順位を300位まで広げると、顔ぶれは変わる。機械の三菱重工業(200位)とコマツ(243位)、鉄鋼の日本製鉄(251位)といったBtoBの会社も、300位以内に入っている。いずれも、独自性・信頼度・先進性の評価がそろって全1000社の平均を上回る。

 生活者が毎日手に取る商品を持たなくても、何をしている会社で、どこが秀でているのかが伝わっている会社は、評価を集めている。BtoCかBtoBかで、選ばれるかどうかが決まるわけではない。

 

4.知られている範囲が限定的でも「違いが伝わる」会社がある

 では、知られている範囲が限定的な会社はブランド評価が低いのか。そうではない。「ブランド力」のうちエンゲージメントも、「ブランド貢献」の魅力点も、その会社を知っている人に聞いた評価である。認知が広くなくても、知っている人からの評価が高ければ、その分はスコアに表れる。

 たとえば水処理の栗田工業は、生活者の認知度が23.5%だが、独自性を感じている人の割合は39.0%。半導体の製造装置をつくる東京精密は、認知度23.7%で同37.4%。いずれも全1000社の独自性の平均27.6%を大きく上回る。

 知られている範囲は広くなくても、知っている人には「ほかとは違う会社だ」と伝わっている。顔が見えるかどうかは、知名度の大きさだけでは決まらない。

5.自社の位置を知り、比べる相手を決める

 順位だけを見ると、上か下かの話に見える。だが同じ順位でも、業種や強みの出方によって評価は異なってくる。上位の会社をそのまま真似ても、自社らしさにはならない。大切なのは、1社ずつ違うなかで、自社に近い形で先を行く会社を見つけることだろう。

 連載では、そのための手がかりを5つの切り口から見ていく。


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第1回:自社の立ち位置によって、取り組みの「優先順位」は変わるのか?

・第2回:他社との違いを打ち出しても、評価につながらないのはなぜか?

・第3回:上位の会社を真似すれば、評価は上がるのか?

・第4回:自社の業種には、評価の壁があるのか?

・第5回:ビジネスパーソンからは、どんな会社が選ばれているのか?


 第1〜4回は生活者から見た1000社を、第5回はビジネスパーソンから見た1000社を取り上げる。

 自社がいま1000社の中のどこに位置し、どの会社を比べる相手にすべきか。それを正しく見極めることが、効果的なブランディング戦略の第一歩となる。

 

 自社の現在地を客観的に把握し、自社が持つ独自性や信頼がステークホルダーにどう伝わっているのかを多角的に捉えることが、選ばれる企業への第一歩となります。

 ブランド戦略サーベイでは、ここで取り上げた総合順位や業種ごとの位置を、自社と競合について確認できます。自社の強みや課題の整理、これからのブランディングに課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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